片瀬漁港島吉丸 ビシアジ釣り


驚異的なスピードで桜の開花宣言が出されて最高気温が20度近くになる日も増えてきた。そこで近所に住む坂部さんと片瀬漁港の島吉丸にビシアジ釣りに行ったのが春分の日の20日。天候も前日まで吹いていた南西風が止み、北東の風に変わって凪ぎ予報である。完全予約制の島吉丸では波乗船代が半額になるバースデー割引があり、月末まで何度でも乗れるのが嬉しい。坂部さんの誕生月が3月というので、今回はその割引に便乗させてもらった。


出船は午前7時。当日は天候良い祝日とあってビシアジ船は片舷7人の計14名の盛況ぶり。釣果の方も3月中旬以降は高位安定といった感じ。風で早上がりがない限り悪くても10匹、竿頭は40匹前後というから期待が持てる。しかも平均して型が良い。25cm前後から大きいモノで38cm前後もあるのだから数が釣れなくても満足できるはず。


港を離れた第8島吉丸は一路二の宮沖を目指す。航程約45分で到着。瀬の海と呼ばれる相模湾では一級のアジ釣りポイントだけに周辺には茅ヶ崎や平塚、大磯からのアジ船が集結していた。船長は魚探の反応をチェックしながらポイントを決めた。「ハイどうぞ。水深は102m。タナは下から4〜5mです」という合図で釣り開始。相模湾のビシアジ釣りはこの時期に限らずほぼ同程度の水深を狙う。


そのため電動リールは不可欠。ビシは130号でコマセはいつものイワシミンチ。粘り気のある細かい挽き具合が特徴だ。潮の流れが緩いとコマセの出方が悪くなるが、当日は適度に潮が流れていて、2投目あたりからアタリが出た。

指示ダナ通り底から4m上で掛かった。だが、上がってきたのは中途半端なサイズのサバ。でもマサバだったので血抜きをしてからクーラーBOXへ。


その後もポツポツリと良型のアジが掛かるが、サバも混じってくる。これがなかなか見分けがつかないのだ。アジのクククッという上品な引き具合とサバ特有のバイブレーション的な不連続な振動と見分けがつきにくい。つまり、アジも良型になるとサバのような強い振動を竿先に伝えてくる。一瞬食い上げるようなサバらしきアタリのため電動リールを高速で巻いてくると、海面に浮いた瞬間に「アジだよ、アジ。てっきりサバだとおもってたのに」と驚きと同時に嬉しさも込み上げて、一気に引き抜く。全長35cm〜37cmはあろうかというでっぷりとした.メタボ体型は魚食好きには堪らない。


ただ注意したいのはアジの口回りが弱く、針がシッカリと上顎に掛かっていないと抜き上げの瞬間に外れて海面バラしとなってしまうこと。だから30cmオーバーの良型だと思ったら迷わずタモ網を使って掬うことだ。100mの海底から巻き上げてきたらどうしても切れてしまうことは多い。針数が3本の仕掛けを使っていると、網で掬った後に針が網目に引っ掛かって外しにくく、手返しが悪くなる。とはいえ、せっかくのアジを逃がしたくないなら確実に網で掬った方がいい。アタリが多く、数が釣れる時間帯は案外短いものだからだ。


また、潮が少しでも速くなるとアジが上がってくるまでに周囲の釣り人とオマツリすることが多い。たいていの場合オマツリでアジがバレてしまうことも多かった。潮のせいにするわけにもいかず、もくもくと手返しを早くするしか数を伸ばすことは難しい。仕掛けがヨレたり絡んでしまえば速攻で交換する手間もあり、周囲が釣れていると手元が焦って進まない。そういうロスタイムも確かに釣りのうちだが、自分だけが取り残されているという焦燥感は気持ちのよいものではない。


結局、午後2時に沖揚がり。当日のトップは40匹。筆者はなんとかアジ18匹にサバ32cm級を2匹で計20匹。アジのサイズは最大で37cm、平均しても30cm前後と良型が多く混じり、満足できた。坂部さんもほぼ同数。さらに最後の流しで貴重なアカカマス(アブラカマス)を釣りあげて大満足で港を後にした。約3日はアジづくしの料理に舌鼓を打ったことは言うまでもない。






片瀬漁港萬司郎丸 ビシアジ釣り


正月明けに出掛けた地元片瀬漁港の船宿・萬司郎丸の割引券が2月28日で期限終了ということもあってギリギリに滑り込みセーフ。運良く当日の天候が素晴らしい凪ぎ。波風もなく気温も最高気温12度に達するということで勇んで出掛けた。

釣りモノは色々と考えたあげくビシアジに決定した。真冬の魚はどれも脂が乗って旨いのだが、お土産確実のビシアジなら間違いないだろうと考えて出掛けたまでは良かったのだが‥…。


今年の冬はとにかく厳しい寒さに気力も失せるほど。ただ当日は風もなく釣れる気分満点で乗り込むと平日の水曜日にも関わらず乗船客はなんと11人と大盛況。寒さが和らぐだけでこれだけの釣り人が乗り込むのだから沖釣りにとって天候は重要である。


定刻の6時45分に港を離れて一路二の宮沖を目指すこと約45分。相模湾では有名な瀬の海がメインポイントだ。魚探反応を確認しながら潮回りをしながら合図が出たのは7時30分過ぎ。「水深は98m。底から5〜6mでやって」というアナウンスで11名の130号ビシが海中に落とされた。


筆者のタックルは1.85mのヤリイカ竿。小型電動リールにはPE4号を300m巻いてある。仕掛けは船宿から無料支給のムツ針11号3本針のハリス3号2mを使った。針のチモトには夜光グリーンのビーズ玉が付けてあったが、この時期はまだ澄み潮と判断し、敢えて外すことはしなかった。


案の定、朝からアタリは遠く、食いしぶりが予想された。筆者は幸先良く釣り開始から20分で1匹目を釣り上げることができたが、周囲では「タナは下からどのくらい? 」と聞かれ「下から5.5mできましたよ」と言うと,「可笑しいな、そこでコマセを振って待っているけどな」とボヤキ声も聞かれた。確かに、その後もアジからのアタリはぽつりぽつりで午前10時までになんと3匹しかつれないという悲惨な状況。左隣の釣り人は「まだボウズだよ」とあきらめ顔で話しかける。


ついに船長が大移動を決断したのは午前10時30分を過ぎた頃。瀬の海を断念して一路秋谷沖を目指した。時間にして50分以上。全速力で走ることができたのは無風ベタ凪だったからだろう。それでも右隣のベテラン師は到着直後にアジの生きエサを泳がせていた端物竿に巨大なマトウダイが掛かり嬉しい笑顔を見せてくれた。


少しだけアジの活性が上向いたのは昼12時を回ってからだ。ビシが底に着底して4m〜5mでアタリを待つと10秒以内にアジ特有のクククッと穂先を震わせる生体反応が出ること数回。全長30cmオーバーの良型が掛かると、電動リールの音も気分が良く耳に響く。ただ連続でアタリが出たのは3回まで。頻繁にアジからのアタリがあれば嬉しいのだが、なかなか後が続かない。食い渋りの日というのは得てしてこんなものである。


活性が低い時のアジは海面でバレることが多いので要注意。海面にアジの姿を確認したら自分がタモ網で掬うこと。針が網目に絡んで手返しが悪くなったとしても1匹が貴重な日にはそれも仕方のないことである。当日の筆者の最大は全長32cmだったが、そのサイズが約100m下の海底から上がってくればどうしても口切れするのも分かる。

食い気に活気がなければ当然針掛りも悪く、上顎にガッチリと掛かっていないことが多いもの。そんな時はタモ取りを厭わないことだ。


結局、午後2時20分に沖揚がり。10分ほど船長は延長してくれたようだが、船中のトップは22匹、スソは4匹だった。で、筆者はというと情けないことに9匹であった。他に外道の沖メバルが2匹色を添えてくれた程度。トホホ、である。


冬場のアジは味覚が重要だ。刺身と叩きで2日間も楽しめたのだから。メバルは15cm弱の小型ながら煮付けで美味であった。当日は二枚潮の影響か湘南エリアではどのアジ船も悪い釣果だったようだ。とはいえ、晴天に凪ぎ、しかも海上で寒さを感じない時間がどれだけ釣り人に幸せな気分を与えてくれただろう。今年の冬はまだ続くだろうが、早く例年並みの気温に戻って欲しいものである。






小田原早川港平安丸 キンメ五目釣り


冬になると美味しくなる魚は多い。鍋に入れて食べると体も心も温まる魚の代表といえばキンメダイだ。だが本格的なキンメ釣りは道具建てが大変。深海300m近くを狙うため電動リールもPE6号が500m巻ける中型サイズが必要になる。針数も多く、慣れが必要な敷居の高い釣りモノという印象が強い。


だが、筆者がいつも足を運ぶ小田原早川港の平安丸はライトタックルで楽しめる。確かに電動リールの糸巻き量こそ500mが理想だが、使用するオモリは150号と軽いのが嬉しい。ロッドも150号を背負えるイカ竿があれば充分。あとは針数だが、これも上限数10本を推奨している。不器用な筆者でも8本を使う。それでも深い場所は360m以上を狙う。


早朝にみぞれがパラついた2月20日は水曜日。前日までの強風がやっと止み天候は晴れ。朝の内若干前日までのウネリが残っていたが、午前10時前には微風晴天のポカポカ陽気になった。だが海上で吹く北風は肌に突き刺さりそうな冷たさである。


船長は定刻7時の出船より15分ほど早く港を離れて当地のキンメ釣りポイントである初島沖を目指して50分ほど走る。すると小田原や真鶴からの釣船が狭いポイントに集結している。ピンポイントにキンメの群れが居るのであろうか。船長から「前から入れるよ」という合図ともに順番に仕掛けを投入していく。筆者は右舷胴の間で3番目。無事に投入が完了してものの10分も経たないうちに右隣のベテランは早くも「キンメのアタリがきたよ」と嬉しそう。


こちらにも続いてアタリが出るかなと待ち構えるが、いっこうに竿先に反応は出ない。しばらくしてミヨシの釣り人にもアタリが出たという。筆者は残念ながら最初の流しは空巻きすることに。右隣の釣り人は良型を1匹だけ釣り上げて写真撮影に協力してもらった。10本を操るベテラン客の余裕の1匹といった感じである。


2投目も3投目も筆者の竿に本命からのアタリは来ない。釣れてくるのは黒い悪魔の姿に似たフジクジラというミニザメ。いいアタリで期待していたらヌルヌルが手に付くオキギスだ。どれも招からざる客(魚)だ。同じ定番外道でも美味しいゲストが釣れてくれれば良いのだが、どうにも潮の流れがないらしく本命魚の活性はすこぶる低い感じだ。それは乗船客全員に共通している点だが、不思議と右隣のベテランは少ないながらもポツリポツリとキンメを釣り上げるから焦る。


船長はポイントを大きく移動させて水深300m付近を狙うと、やっとキンメ特有の穂先を断続的に小刻みに振動させるアタリが出た。数分待ってから巻き上げを開始すると、周囲でも同様に電動リールの巻き上げ音が響く。


ところが、「巻く速度をもっと上げて、ドラグは締めて」と船長が叫ぶ声に慌てていると、急激に穂先が海中に突き刺さる感じで、次の瞬間に道糸のテンションが失せた。サメの仕業である。掛かった美味なキンメを待ち構えて仕掛けごと根こそぎさらっていく海の極悪ギャングの登場で船中の大半の人がオモリごと仕掛けを奪われてしまった。


筆者はこの時点で戦意喪失。船中1匹目は右隣の釣り客の仕掛けに絡み付いてきたサメの強奪の残骸仕掛けの中に混じっていた25cm級のキンメ。せっかく掛かっていたであろう複数のキンメの中で最もミニサイズが辛うじて手にできただけでも良いと思うしかない。その後の筆者は「どうせ潮は流れていないし、キンメの活性は低いのだから針数は4本で構わないだろう」と勝手に判断して使い回しの仕掛けを慌ててセット。船長が次の投入まで魚探を見ながら潮回りをしている間に忙しく準備しなくてはならないのだ。キンメ釣りで唯一忙しくなる瞬間だ。


その後、水深220m前後の浅い場所でシロムツ(標準和名オオメハタ)を3匹ほど釣ってお土産代わりとした。そして、最後の流しの1回前にきた鋭いアタリで期待したのだが、途中でムツバリ18号を噛み切って逃げ去った。犯人はスミヤキだ。標準和名クロシビカマスと呼ばれる美味なゲストだ。

 

最後の最後に「天は私を見捨てなかった」と思った。キンメ釣りでは定番ゲストのスミヤキだが、食べて美味しい魚は大歓迎。全長47cmのスミヤキが釣れてくれたからだ。

本命に振られ、唯一の獲物はサメに強奪され、潮が流れず低活性の日。踏んだり蹴ったりのとことんツキのない日に遭遇してしまったが、最後まで諦めずに釣り続けていて良かったと痛感した。最後の仕掛けの針数はなんと3本までに減っていた。


平安丸の女将さんから聞いたスミヤキの正しい調理法はこうだ。「小骨や枝骨があるのは身の表面だけだからその部分を削ぎ落とせば煮付けにして食べると美味しい」とのこと。実際、やってみたら小骨を気にせずに食べることができた。スミヤキが釣れたら一度お試しアレ。






葉山一色海岸山田屋ボート店 カワハギ&メバル釣り


最も海水温度が低下する2月上旬。外気温は最高気温でも8度か9度。そんな酷寒の時期に飽きもせずに葉山一色海岸から手漕ぎボートでカワハギとメバルを狙って出航したのは2月10日である。前日のネット天気予報では湘南エリアは北東微風で凪ぎということで出掛けたのは良かったのだが、水温が前日から一気に下がって12度しかなかったのだから貧果は仕方あるまい。と最初にことわっておこう。因に山田屋貸しボート店の一人用ボートは1日2700円。アンカーが軽量コンパクトで疲れないのも魅力だ。

 

実は昨年の1月9日にカワハギ狙いで出掛けた際に運良く好ポイントを探し出して11匹の本命を釣り上げている。今回は「酷寒の2月はどうなのか」を検証したいというのが狙いだった。さらにもう1点。最近大証の一部上場企業にもなった業務スーパーで販売している冷凍アサリはカワハギ釣りに有効なのか否かも試してみたかった。とにかく今シーズン最後のカワハギ釣りに最も厳しい時期を選んでボート釣りに挑戦したかったのである。ある意味釣果は二の次と考えていた。


結果から先に言えば,見事に「撃沈」である。最初のポイントは小磯の鼻と呼ばれる根回りの少し沖。水深は約12m前後で岩礁帯と海藻が点在する起伏の多いカワハギポイントだ。午後8時過ぎにのんびりとアンカーを落として釣り開始。期待を込めてカワハギ仕掛けを投入するも、アタリは皆無で時々エサ取りらしき小魚がエサをついばむ。だが、雑魚の活性も低く、10分以上付け餌のアサリが残ったまま。

通常、カワハギがいればエサは1分も持たない。真冬の低水温時期だけに5分は待ったが、エサがまんま戻ってくる。針に掛からない程度の小魚がわずかについばんでいる程度である。


唯一遊んでくれたのは赤い目をしたアカメフグ。しかも巨体を揺らして水面で横走りするものだからもしかしたらと思ったのだが、茶色の魚体はフグ。ガッカリしたが悔しいので写真だけ撮影して速攻リリース。その後、10分程度で早々に大きく移動して鮫島付近まで漕ぎ進んだ。海は凪で波風が皆無だからボートの進行は速く快適。水深15m前後の岩礁帯にアンカーを投入して釣り再開。ここではすぐに定番外道のキタマクラが釣れたため「ここで粘ろう」と決心したのも束の間。30分もしないうちに海面からブクブクと凄い泡が浮かんでくる。ダイバーの潜水泡だ。これでは釣りにならないとすぐに鮫島の南側に移動する。水深は12m前後。適度に起伏があり期待できそうな海底地形と判断して2時間程度粘るが釣れたのはササノハベラ1匹だけ。しかもアサリではなくメバル狙いの胴突き仕掛けに付けたオキアミエサに食い付いてきた。


天候は快晴に近い晴天。周辺ではカヌーが数隻行き交う光景もあって長閑な雰囲気が漂う。本命からのアタリがないまま結局、午後2時30分に沖揚がりとした。昨年の1月と今年の2月の状況を一概に比較はできないが、水温が昨日から1度も下がって12度になってしまった点は仕方あるまい。また、この時期に水深15m前後にカワハギが群れを作っているとは考えにくい。カワハギ乗合船もこの時期は30m付近を中心に探るのが一般的だ。それを考えれば一色海岸のボート釣り場でカワハギを狙うこと自体に無理があったのかもしれない。


さて、懸案の業務スーパーの冷凍アサリの件だが、結論から言えば「充分使える」と断言できる。ただ

ひと粒が大きいため半分に千切って使った方がいい。海水で解凍してアミノソルトの粉を掛けてタオルの上で水気を取れば万全だ。身がシッカリとして硬く崩れにくい。因に500gで480円は激安だ。次回はもっとカワハギの活性が高い時期に再度使ってみようと考えている。釣れる時期に再挑戦だ。





金沢漁港忠彦丸 LTアジ釣り


今年の冬はとにかく寒い。寒いけど釣りには行きたい。行きたいけど船代の高いのは色々と辛い。そこで考えたのが半日船のLTアジだ。午前船でライトタックルアジを出しているのは金沢漁港の忠彦丸がある。自宅の藤沢から早朝なら約40分で行かれる。予約不要だから気分的にも楽。ただし当日他に釣り客がいないと出船しないことも。乗船代はHP割引で5000円。駐車場代も無料と良心的だ。


当日は昼頃から南西風が強まるという予報だから午前船なら大丈夫。ライトタックルのアジ釣りは過去に2回ほど経験しているが、釣れるアジのサイズが小さいので敬遠することが多かった。それでも数が釣れれば満足できるだろうと甘く考えて出掛けたのが2月4日の月曜日。当日は曇天ながら北風微風で東京湾は凪ぎ。そのためか平日にも関わらず乗船客は5名。


筆者は右舷大ドモから2席分胴の間側に釣り座を構えた。持ち込んだタックルは1.8mのワンピースロッドでオモリ負荷は10〜40号。ビシが40号指定だからちょうどいい感じ。定刻より6分ほど早く港を離れて向かったのは航程で10分のまさに港前といったポイント。水深は27〜30m前後。周囲を見渡すと同じLTでアジを狙う釣船が5隻ほど浮かんでいる。


船長の「はい、どうぞ。水深は27mです」というアナウンスで40号のビシがほぼ一斉に海面に投入される。筆者はビシアジといえば130号の重たいビシに電動リールのセットが定番タックル。それが1.8mの軽量で柔軟なロッドにPE1.5号を100m巻いた安価な両軸リールの組み合わせである。これでどんなアジが釣れるのか、ちょっと不安はあったがLTタックルアジだからそれなりに引き味は楽しめるものと「釣趣」を重視して釣りを開始した。


すると、2投目でゴンゴン、グググっとアジとは違うような強い引き込みでリールを巻くと、海面に顔を見せたのは銀色の魚体が朝日に眩しいイシモチだ。この時期の定番外道であることは忠彦丸のHPを見れば分かるのだが、その後このイシモチの群れに最後まで悩まされることになるとはその時は思わなかった。


船長はアジの群れを探して何度もポイントを笪索してくれたもののどこに行ってもアジよりもイシモチの

群れが濃いようで、コマセを振って底上げ2〜3mのタナで待っていると3秒か遅くても6秒以内にイシモチからの魚信が穂先に出る。魚からのアタリが出れば釣り人はリールを巻くのは当然だ。アジのアタリが分かれば良いのだが、コマセを振れば大半がイシモチのアタリでグイグイと引き込む。重量感がある時にはダブルやトリブルで掛かるため、上がってくると夢中で取り込んでしまう。


釣り開始から2時間が過ぎてもアジは数匹しかつれない。要するにイシモチの群れが大きく、アジの群れが小さく移動が早いということだろう。左隣の釣り人はコマセを軽く振って静かにアタリを待っていると不思議とアジが釣れている感じ。もちろん、イシモチも掛かっているようだが、アジをうまく釣り上げていた。


コマセもビシも仕掛けも同じなのになぜか筆者にはアジがなかなか釣れない。午前10時を過ぎる頃から何をしてもイシモチしか掛からないため、置竿にしていたらアジが食ってきた。タナも底上げ2mだから変わりはない。ウ〜ん、良くわからないがアジの活性はイシモチよりも低いだけかもしれない。イシモチの群れの中から数少ないアジを釣れということなのか。


結局、午前11時に沖揚がり。筆者はイシモチを39匹とアジ7匹を釣り上げてライトタックルの醍醐味を満喫した。一言で言えば、ライトタックルはビシも40号で軽いため終始手持ちでも疲れない点が魅力。さらに水深が浅いため魚が若干小さくても(イシモチは22〜26cm平均)引き味を楽しめる。アジも20cm前後がレギュラーサイズだから不満はないのだが、当日はとにかくイシモチの猛襲に遭遇して閉口した。それでもLTアジが得意な左隣の釣り人はアジだけで47匹を釣ったというから驚きである。


安近短で安直に選択した半日のLTアジにも奥の深い釣技があるということを思い知らされた貴重な体験となった。最後にイシモチの調理について。身の軟らかいと言われるイシモチだが、三枚おろしで湯引きで食べれば歯応えと旨味が感じられて刺身好きには最適。

実は一晩冷蔵庫で寝かして翌日の刺身の方が旨かったのは一体どうしたことだろう。決してイシモチをバカにしてはいけない。必須は血抜きと氷締めでの持ち帰り方だ。







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