金沢八景弁天屋 ひとつテンヤマダイ釣り

 

東京都心で最高気温が30度を超えて真夏日となった5月21日、金沢八景の弁天屋からひとつテンヤ&タイラバ釣りに出掛けた。当日はスポーツ報知新聞のお客様感謝デーということで乗船料金が半額の5500円。ただし、1カ月以上前からの事前予約が必要だったので天候までは読めなかった。同時に、釣り部後輩の2名を誘ってみたが同行してもらったのは栗原君だけ。21日は日曜日で予想通りの満席。片舷9人の両舷で18人が乗り込み、予定より少し早く港を離れた。弱い北風の中をゆっくりとクルージングして最初のポイントまでは30分足らず。水深49mからスタート。

 

ところが、当日の潮が若潮という流れの弱い潮回りのためか魚の活性は低い。船中誰の竿も曲がらずに船長は痺れを切らせて30分ほど走って観音崎灯台が見える深い場所で釣り再開に。水深は63m前後。それでも10時頃まではアタリがないまま時間が過ぎて行く。私が最初に掛けたのはムシガレイ(後検寸28cm)だった。60gの遊動式テンヤを海底に沈めて、1mほどシャクり上げて僅か数秒ステイさせていると穂先にクククッという魚信が出た。速攻でビシッとロッドを跳ね上げると、魚が掛かった感触がリールを巻く手に伝わってきた。ポンピングをしないように一定の速度で巻き上げて海面を割ったのは前述のムシガレイ。船長の差し出すタモに入った途端にテンヤの針が外れて間一髪セーフの状態であった。

 

 

その後、船長は点々とポイントを探索するが、アタリが出ない。同行の栗原君は経験のあるタイラバにも挑戦していたが、アタリは皆無だったようだ。海上は適度な風がそよそよと吹き、気持ちの良い凪を満喫できていたが、アタリがない釣りというのは辛いものがある。釣り方は底上げ1〜3m前後までを繰り返し探る方法。最初の頃は底上げ5mまで探ってみたが、ムシガレイが釣れたタナが1m前後だったからどうしてもひとシャクリ分を何度も繰り返していた。

 

すると、水深58m前後のポイントだったか底立ちを取り直してすぐにググッと一瞬竿が震えてアタリが出た。間髪を入れずにバシッと強く合わせるとグングンとムシガレイの時よりはゴンゴンと引っ張る感触。しかも、適度な重量感があり、慎重に巻き上げてくるとオレンジ色の魚体が浮かんだ。オニカサゴだ。船長が素早くタモ入れしてくれて難なく取り込めた。大きな口を開けて海面出た瞬間はかなり大きく感じたのだが、自宅に戻ってメジャーをあてると全長28cmしかない。それでもでっぷりと太った体型は充分刺し身で食べられるサイズだ。

 

その後も船中でポツポツとゲスト魚が釣れていたようだが、大半が根魚。オニカサゴかカサゴのどちらかという感じ。私は小型のオニカサゴとマカサゴを追釣できた。残念だったのは最後まで諦めずに粘って釣っていた栗原君が大きなトラギスを1匹掛けただけで午後1時50分の沖揚がりを迎えてしまったこと。私の右隣に座った佐藤さん(豊島区)も良型オニカサゴを釣り上げて嬉しそう。写真撮影に協力していただき、有り難うございました。佐藤さんもテンヤ釣りは5回目ぐらいとのこと。魚の活性が高まった午前11時過ぎには待望のマダイらしき引きを味わいながら途中まで巻き上げていたが、リーダーと道糸の結節部分が切れてしまい、無念のバラシとなってしまった。「実はテンヤを回収しようと思って巻き始めたら底上げ10m前後で突然掛かった感じでした。でも、引き具合と頭を振る感触では間違いなくマダイだったと思います」と悔しそうに述懐していた。

 

私はこれまでひとつテンヤの経験は外房の大原で1回だけしかない。その時にはビギナーズラックで700gサイズのマダイを釣っただけ。本命を1匹でも釣ることができたのでその時の感触が忘れられない。だが、大原沖と今回の東京湾でのテンヤ釣りはまったく別物と考えた方がいい。仕掛けに関してはテンヤでもタイラバでも使用可能だが、重量が異なる。当時の9月の大原ではテンヤサイズは重くても10号前後。だが、弁天屋のテンヤは10〜15号を使う。タイラバでは80〜120gを使うという。それは狙う水深が深いことが上げられる。当日の弁天屋では浅い水深で35m前後、深いと65mまで狙った。潮が速い日であればテンヤの底立ちが取りにくいだろうと予想できた。運良く、当日は若潮の上げ潮が釣り時間帯だったためテンヤやラバージグがガンガン流されることはなかった。弁天屋では道糸は原則としてPE1号以下を推奨している。

 

結局、18人の釣り人がマダイを釣り上げることは最後までなかった。マダイの魚影の差といってしまえばそれまでだが、ひとつテンヤ釣りの醍醐味を体験することができたという点ではとても充実した日だった。掛けて、合わせて巻き上げる。ひと言で言えば「釣った感触」を強く味わえる釣りであるということ。型がどうあれ自分が掛けて釣った釣りは深く印象に刻まれるだろう。

 

最後に食味について。オニカサゴの刺し身は氷り漬けのクーラーBOXで寝かせて3日目に食べた。適度な甘みと歯応えのあるプリっとした白身は絶品だ。珍味とされる胃袋やキモも食べたが、冬場の鍋とは違ったさっぱりとした上品な旨味を堪能できた。刺し身はできるだけ薄く切ること。ワサビ醤油だけでなく、たぶんカルパッチョ風にしても美味しかったはずである。
 




犬若港孝進丸 ヤリイカ釣り

 

間違いなく混雑することが分かっていても仕事の都合や天候の事情などを鑑みて行きたくなってしまうのが5月GWの犬吠埼沖のパラソル級のヤリイカ釣りである。イカ釣りということなら確かに相模湾でもそこそこ釣れる。ヤリイカ混じりでスルメやムギイカも混じる。だが、胴長35cmもあるパラソル級のヤリイカは銚子付近まで出向かないと釣れないのだ。デカイカを確実にキャッチするには遠出も仕方ないと思って孝進丸に電話予約を入れてクルマを走らせたのは5月4日。前泊するために自宅の藤沢を午前11時30分に出発し、孝進丸の船宿に到着したのが午後3時30分頃だ。約3時間の長旅だが、泊まり客は他に3人ほど。夕方5時過ぎから酒盛りをしてイカ釣り談義で盛り上がりつつ、床についたのは午後8時頃。そんなに早く就寝することもないだろうと思ったら大間違いなのである。翌朝というか深夜3時過ぎに船が港を出るというから驚きだ。

 

これまで釣り新聞等の取材を含めても午前3時前に船に乗ったのは過去に1回だけ。新島沖のキンメダイを釣るために深夜2時40分頃に伊豆の川奈港から出た記憶がある。それはブランドキンメの釣れる漁場まで行くのに時間が掛かるからだ。今回がまさにその2回目となった。目指すはパラソル級のヤリイカが釣れるという犬吠埼沖。正確には午前3時25分に外川港の岸壁を離れて真っ暗闇の中をクルージングという感じ。海上は凪だからそれほど揺れはない。とはいえ、夜明け前はどうしても風が吹くもの。多少のウネリを伴いながらなんと1時間50分の長旅であった。

 

オレンジに輝く朝焼けの中でスタートフィッシング、といえばカッコいいのだが、150号のオモリを投入して170m近くまで仕掛けが沈んだところで道糸の出方が可笑しくなった。仕掛けを止めたのはサバである。サバの猛攻が約2時間弱は続いた。腕に覚えのあるイカ釣り師であれば速攻で直結仕掛けに交換すれば良いのだが、私のような素人ではウネリのある犬吠埼沖ではバラシの連続になるだけ。サバが撤収してくれるのを待つばかり。確かにサバの中には全長40cmオーバーの真サバもいて私も1匹だけ46cmの真サバを血抜きをしてキープした。〆鯖ではなく、生の刺し身を食べるのが好きだからだ。蕁麻疹に要注意であることは百も承知である。

 

その後、やっとパラソルのヤリイカを2点掛けで取り込めたのは午前8時頃。胴長で約35cm前後。短いゲソを含めれば軽く45cmは越えているはず。重量感もあり、釣り応えはある。しかし、食いダナが水深200m前後となるとイカのアタリがどうにも読めない。イカ角に乗っている感触はあるのだが、すでに老成魚と化したオスのイカはグイングインといったスルメイカのような突っ込みは感じられない。しかもオモリ号数が150号となると、シャクル腕が疲れてくる午前9時過ぎにはなんだかイカが乗っているのかどうか怪しく感じられる場面も何度かあった。

 

そんな時に限って中速で電動リールを巻き上げてくると小型のサメが掛かったイカを丸呑みにして仕掛けこど奪い去るという暴挙に出るのだ。イカ角に掛かるサバなら仕方ないが美味なヤリイカを横取りしようとする卑怯な輩は許せない。150号のオモリも一緒に引きちぎって奪い去るのだから腹も立つ。因に船上では150号のオモリは500円もする。予備に2個持参したがそれでも足りなかった。トホホ、である。

 

それ以前にイカ角にヤリイカのゲソだけが残って上がってきたのは2回ほど。電動リールの巻き上げ速度が速かったわけではないと思う。シマノ製で18前後の速度なら問題はないはず。ウネリが残る犬吠埼沖ならその数値は決して無謀な速度ではないはずだ。これもサメの悪戯なのかどうかは分からない。

 

右舷の大トモに釣り座を構えていた山中さん(品川区)は順調にヤリイカを釣り上げて、ダブルで取り込んだ時には写真撮影に協力していただいた。有り難うございました。イカ釣り歴は20年以上という山中さんは午前11時25分の沖揚がりまでに合計27杯を釣り上げて次頭を達成。後半から終盤はサバがいなくなったのだからもっと釣れなくてはいけないのだが、私は10杯に届かず9杯でジ・エンド。ゲストは全長46cmのマサバとピンク角に掛かってきたマアジ28cm。船長には「10杯は行きました」と間違って答えてしまったのはアジのため。言い訳がましいのだが、アジが釣れるとイカと同じくらいに嬉しくなってしまう。コレだからいつまでたってもイカ釣りが上達しないのである。因に竿頭は左舷ミヨシに座ったベテラン、小野田さんの44杯であった。

 

港に戻ってきたのは午後1時20分過ぎ。往路と同じ1時間50分を費やしたことになる。その後、宿で美味しいカレーうどんを完食して午後2時に帰路についた。自宅に戻って時計を見たら午後7時になっていた。帰路は5時間掛かってしまった。途中で事故渋滞があったのは仕方ないが、GW釣行は時間の余裕がないと難しいことを再確認した。

 

 

 




三崎港いわき丸 アコウダイ釣り

 

5月と言えばマダイの乗っ込みが気になる季節だが、深場好きの釣りファンには深海500mのアコウダイの方が気にかかるのだ。そんな深海好きの釣り人を案内してくれるのが三崎港のいわき丸。4月29日の土曜日に三崎港北條湾の岩壁に集まったのは7人。アコウダイをこよなく愛する山田君の釣り仲間5人を中心に午前7時30分過ぎに城ヶ島沖に繰り出した。当日は南風が昼前から強く吹く予報だったが、朝は無風ベタ凪で快適な海上だった。約30分足らずのクルージングで最初のポイントに到着。

 

ほどなく水深530m前後で釣り開始。ミヨシから順番に投入の合図が告げられ、サバの短冊を付けた8本針が深海の海へ旅立つ。時計の針はすでに8時をとうに回っていた。この深海釣りが初挑戦の人も3人ほどいて、その中には私がフェイスブックで知り合いになった国分寺市の伊東さんも乗り込んでいた。いわき丸では、なんと電動リールを含めたロッド、オモリ、バッテリー、さらには仕掛けを並べるマグネットもすべて無料でレンタルできる。それを利用して楽しんだ伊東さんはビギナーズラックを独り占めすることになる。それも釣りの醍醐味のひとつであろう。

 

最初のポイントでは、アタリがあったものの海面に姿を表したのは招からざる獲物、サメであった。数人がサメを外して仕掛けを船縁に並べて2投目。それでも釣れてくるのはゲストばかり。針に付けたタコベイトを少し減らしても貪欲な深海ザメはサバの短冊に食い付いてくる。竿先に出るグングン、ゴンゴンという突っ込みで「何か掛かった、結構引き込んでる」と期待は膨らむのだが、裏切られること2回以上。ガックリだが、船長の指示通りに中錘を活用して仕掛けを少しずつ、這わせるように道糸を送り出す操作をすることで、魚に喰わせる工夫ができた伊東さんはサメの2点掛けを達成。

 

それでも船長からはこう言われた。「今回はたまたまサメに喰われたけど道糸を送り出して餌をうまく喰わせた結果だから決して悪くはない」と。こうしたアドバイスをしてくれる船長はたぶんそう多くはいないだろう。基本的な深場の釣り方、アタリが出てからの釣り方ができているから掛かった。それがたまたまサメだっただけ。船長はそう言いたかったのだ。

 

午前11時前には天気予報通りに南西風が少しずつ強くなり始めて海上も波だってきた。そんな5投目当たりだったか、ついに本命らしきアタリが伊東さんのレンタルロッドに訪れた。海面直下に白っぽい魚体、徐々に赤くなりついに浮かんだのが本命アコウだ。伊東さんが取り込んだ全長50cm近い良型のアコウダイは深紅の美しい姿で船内に取り込めた。初挑戦で初めてのアコウダイを釣り上げたのは船中ただひとり、伊東さんだけ。写真撮影に船長や山田君らもカメラやスマホでシャッターを切り、感動の瞬間を収めることができた。良かった、遠く国分寺市から片道2時間をかけてクルマを走らせて来た甲斐があった。自分が釣れた以上に嬉しかったのは間違いない。

 

周囲では、それまでのゲストにトウジン、シマガツオ、オキギス、深海アナゴは定番に近いものがあるが、当日のサプライズはなんとタカアシガニだ。これは仕掛けのハリスに足が絡んで上がってきたのだが、深海釣りでは私は初めてタカアシガニを見た。釣れたというより掛かってきただけだが、手に入れたのは私ではなく反対舷の釣り人だった。オマツリで上がってきたため判断しかねたが、針の色、仕掛けのハリスやサルカンを確認すれば分かる。新鮮な採れたてのタカアシガニをアコウダイ釣りでキャッチした釣り人はたぶんこの海域では他にいなのではないだろうか。もしかしたらアコウダイより浜値は高価だったりして。

 

その後、南西強風が強くなる予報を心配して、船長は午後1時10分過ぎに沖揚がりを決断。伊東さんのアコウダイ1匹でジ・エンドとなってしまった。これも深海釣りの厳しい現実だ。乗っ込みといってもマダイのようにコマセを撒けばバリバリ釣れる魚ではない。色々な釣りを経験してきた筆者が語るのもおこがましいのだか、「運、根、勘」が重なると釣れる、それがアコウダイだと思った方が気が楽である。ただし、船長のレクチャー通りに基本操作ができないとその確率は低くなる。

 

最後に味覚の話だが、伊東さんの話しによるとゲストに釣れたトウジンの肝醤油和えがとても美味だったとのこと。アコウダイを刺し身で食べる場合は、氷り漬けのクーラーBOXに少なくても2日、できれば3日ほど放置してから包丁を入れて刺し身にするとかなり旨味成分が放出されて、絶品の味わいを満喫出来たのではないだろうか。とはいえ、深海500mの美味魚を初めて手にできた伊東さん、もう戻れませんよ。「地獄の楽しみ?と究極の味覚を知ってしまったのですから」。これからも悪魔からの止めどない享楽のお誘いがあることを幸せに思い、アーメン。(笑)

 




野比海岸貸しボート秀丸 ボートカレイ釣り

 

GWに入る前にもう一回ボートでカレイ釣りをしたいと思って約9年振りに訪れたのは三浦半島の野比海岸にある「貸しボート秀丸」である。しかも、4月にカレイ釣りに来たことはこれまでにない。完全な挑戦メニューといっていい。サッカーの試合で言えばアウェイでのボート釣りだ。魚探もなければポイント攻略の実績も皆無。これまでのボート釣り経験がどこまで活かせるか、ギャンブル要素は強かった。当日の天候は晴れだが北東の風が風速3〜4m。ボート店の女将さんが言うには「ここはね、山を背負っているから北東風には強いんですよ。今日は徐々に凪になる予報だから大丈夫ですよ」と背中を押してくれた。

 

だが、カレイの居るポイントが分からない。津久井浜方向にあるノリ棚付近で釣ろうと考えていると「ノリ棚からは200mは離れて釣って下さい」とこの海域のルールとマナーを聞かされて不安になったものの、カサゴ狙いのボート付近を外して砂地帯を探せればなんとかなるだろうと漕ぎ出したのは4月23日の午前7時15分過ぎ。ノリ棚のブイが浮かぶエリアを津久井浜方向に漕ぎ出して、約13分漕いでめぼしい場所にアンカーを投入した。ノリ棚の最も津久井浜寄りの角地のブイから約200m沖側で釣り開始となった。

 

まずはボート直下に1本目の両軸リール付ロッドにアオイソメとオレンジイソメ(購入先はエサのつり王☎046-874-5522)をたっぷりと付けて投入。オモリがボートの揺れでトントンと叩く位置にセットして置竿に。2本目はスピニングリールに1.6mの短竿でチョイ投げをしてアタリを待つ。干潮時間が9時4分頃だったため、時合に間に合うように3本目のスピニングリール+振り出し式パックロッドを準備して、15mほど投げて置竿にする。3本目の仕掛けを投入し終わったのが午前8時15分頃。これで迎撃態勢は整った。ボート直下のリールをゆっくりと巻き上げて水深を計測すると、約10mあることが判明。水深的には間違いない。ポイントは外していないと心に誓ったが、まだ不安はあった。北東風が冷たく、時々強く吹くため晴れていても寒いのだ。

 

岸方向に向けてチョイ投げしたロッドが小刻みに震えたのは干潮時間の直前だった。ロッドを手に取り少しだけ巻き始めるとグイグイッとカレイ特有の魚体を波打たせている感覚がてに伝わってくる。慎重にゆっくり、強い引きをいなして海面近くまで浮いてくると、紛れもない茶色の魚体が現れた。タモを右手に持ち替えて掬おうとするがハリスが1m近くあるためか、なかなか網の中に入らない。海面で左に走りながらタモを嫌うカレイに対して2回目になんとかタモ入れが成功。ホッとひと安心。魚体をみるとマコガレイではなく、ムシガレイであることが分かった。本命ではなかったが初挑戦の場所で釣り上げた獲物はことの他嬉しいもの。自分の狙ったポイントで掛けた魚はゲストであっても満足感は高い。計測すると全長33cmあった。肉厚の魚体は産卵後の荒食いシーズン特有の姿と言っていいだろう。刺し身で食べられるサイズだ。

 

ここで不思議なのがオモリの色。前回も金田湾つりの浜浦で釣り上げた40cmのマコガレイも白塗りのオモリに食ってきた。これまでカレイやアイナメは赤いモノに好反応を示すと言われてきたが、実は赤より白が好きらしいということがこれで証明できた。白好きはカワハギだけではなかったのだ。

 

ムシガレイを釣り上げてから約15分後、このオモリを赤から白に交換しようと思って仕掛けを回収しようと思ってリールを2mほど巻き上げた途端にゴンゴン、グイグイと突っ込むアタリが訪れた。もう1本の短いロッドの方に何か喰ったようだ。PE0.8号の道糸にリーダーを2.5号3mほど結節してある。道糸より2.5号のリーダーの方が少し不安だったが、以前外房大原で30cm級のマダイをひとつテンヤで釣り上げているから大丈夫だとは思っていたが、その時に突っ込みを上回る強引な引き込みで危機感を覚えた。ロッドの先端付近を海面に没するように沈めて対応したが、ゴンゴンと突然首を振るような元気一杯の引きには焦った。3回ほどの強烈な引き込みを交わして海面に浮かせたのは緑色の胸ビレを広げたホウボウだった。赤いスパイクオモリを付けた仕掛けがホウボウはお好みだったのかもしれない。

 

その後は魚からのアタリはなく、時々グレーのヒトデがポツポツと釣れるだけ。1回だけ針のチモトが切られたのがあったが、たぶんフグの悪戯だろう。150gの両方のイソメも残り少なくなった。午後11時過ぎにはポイントをボート乗り場方向に移動して釣りを位階してみたが、ここでもアタリは皆無。結局、午後2時10分で沖揚がりに。ロッドを1本ずつ片付けて、2時30分の着岸時間に間に合うように漕ぎ戻った。

 

ボート店で魚体の手持ち写真を取ってもらい、秀丸のツイッターに載せてもらった。初挑戦でムシガレイ33cmとホウボウ31cmの2匹だけだったが、満足感は大きい。それは自分が選んだポイントで釣り上げたからだ。時合を逃すことなく粘った釣り方が功を奏したといってもいいだろう。潮変わり直前直後の時合、その後、2時間はポイント移動をしないこと。また、砂地帯をうまく探し出せたのも運が良かったといえよう。野比海岸はメガカワハギの聖地とも言われている。9月に入ってからまた訪れたい海域である。

 




金沢八景弁天屋 午前ライトアジ釣り

 

今年の4月は中旬になっても寒暖差が激しく、不安定な天候が続いた。それでも東京湾のビシアジの釣果は絶好調の日が多く、初夏に向けて最高の味に達すると言われるだけにほぼ釣果が確実なビシアジ釣りに出掛けたのが4月16日の日曜日。
実は前日の土曜日に南西強風が吹き荒れて海が荒れ模様ということで日曜日に変更したのが正直なところだ。足を運んだのは金沢八景の弁天屋。サクッと数釣りをして早めに自宅に戻ろうと軽く考えたのが間違いのもと。午前ライトアジなら時間的にも体力的にも楽だからだが、もっと言うと、弁天屋では60歳からシニア割引が使えるのだ。経済的にも負担が軽くなるシニア割引にすると乗船料金はなんと5100円になる。これは助かる。

 

さて、前日の暴風の翌日だけに出船1時間前に到着したにもかかわらず、ほぼ満席状態とは驚いた。片舷12人で両舷で24人は確実に乗っていた思われる。水深の浅いライトアジとはいえ、これではオマツリは必至。仕掛けの予備はいつも10組以上は持参するが、どうなることやら。ただ天候だけは北風微風で凪。海面もフラットで他船の引き波でも来ない限り横揺れもほとんどない。爽やかな春らしい海には桜の花びらがチラホラと浮かんでいた。

 

船長は定刻7時15分より10分ほど早く桟橋を離れて、最初のポイントに向かった。航行すること約20分で到着。魚探反応をチェックしながら投入の合図が出されて、40号ビシに付いた3本針のアジ仕掛けが海中に沈んで行った。水深はやや深く38m。指示ダナは2mだが、3mまでは探ること。潮具合によっては若干浮き気味になることもあるからだ。ところが、2mでも2.5mでもアタリは出ない。周囲でもアジが釣れている様子はない。案の定、南西強風後の水温低下と澄み潮の影響か、アジに元気がないのだ。

 

午前8時過ぎには早々にポイントを移動。水深30mで釣り再開となった。そのポイントではポツリポツリと小アジが釣れ始めた。全長20cm弱の小ぶりのサイズが釣れるのだが、どうにも引きが弱い。活性が低い時には海面でバレてしまうことが多いが、当日もその傾向が顕著だった。海面からアジを抜き上げる直前に針が口から外れてしまう。魚が見えているだけに悔しいことこの上ない。

因に、宿支給の付け餌は赤タンとアオイソメが少量配られるが、どちらにも掛かってくる。もし、潮が濁っていればアオイソメが有利だが、赤タンにも良く釣れていたのでやはり澄み潮加減だったのかもしれない。また、途中からオマツリを少しでも回避するために2本針の仕掛けに交換した。

 

アタリが少しだけ多くなったのは午前10時頃から。ビシが着底して1m巻き上げて最初のコマセを振り、さらに1m上げて再度コマセを振り出して、10秒ほど待つとコココッとアジ特有のアタリが出て、釣れるのだが型が小さい。平均すると全長18cm弱といった感じだ。それでも、アタリが頻繁に出ると楽しいもの。リールをゆっくり巻き上げてビシをコマセ桶に入れて、ハリスを弛ませないようにして取り込むとうまく取り込めるようになった。だが、針の掛かりどころを確認すると下あごだったり横に刺さっていたりと、低活性の時にありがちな外れやすい箇所に掛かっている。船内に取り込んだ直後にポトリと外れることも多かった。

 

左隣の斉藤さん(横浜市)は「アジ釣りは今日で2回目なんでなかなか上手く掛かりません」と言いながらも早い段階でアジを釣り上げていた。貸しタックルのリールのクラッチ操作が良くわからずにリールを巻いていたが、仲乗りさんにコツを教わり、その後は苦労しつつもポツポツと釣っていた。

 

喰い渋りの時間帯は最後まで解消せず、午前10時45分には沖揚がりに。当日の船中トップは28匹、私もなんとか14匹まで数を増やせた。ゲストは定番のイシモチが多かったが、私には全長25.5cmのムシガレイも釣れた。当日の午後船の釣果は喰い渋りが回復して15〜73匹だったという。南西強風の翌日の午前船は食い渋りになる傾向があることを再認識させられた日となった。

 

とはいえ、14匹のアジに23cmのイシモチ、25.5cmのムシガレイが釣れたのだからお土産としては決して不満はない。欲を言えば、もう少し型の良いアジが数匹でも混じってくれればという願いはあった。自宅に戻り当日は刺し身とタタキにして、翌日は塩焼きにして食べたが、旨味は鉄板。間違い無しという印象だ。ムシガレイはフライパンにアルミホイールを敷いてバター焼き=ムニエルにしたが、これも上品な白身にバターが染み込んで旨かったことを付記しておこう。焦げ付き防止にタマネギを下に敷くことがポイント。

 

これから初夏にかけてアジは年間で最も脂が乗り、味覚が最高潮に達する。短時間で手軽に楽しめるライトアジは凪の続いた2日目以降に釣行されることをオススメする。なお、弁天屋では3人以上の場合は連座で座れるように配慮してくれるので前日には電話を入れた方がいい。ただし、予約は受け付けていない。

 





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