松輪港あまさけや丸 ワラサ釣り

 

季節回遊魚とも言われる青物だが、今年のワラサはどうしてしまったのか。早い時期なら8月中にはブレイクしているはずなのにどこにも群れが参上しない。今年はもう東京湾には訪れないのか、と思っていたら、10月17日に一気に大ブレイクしたのが剣崎沖だ。トップで17本という驚異的な釣果を叩き出した宿があった。それ以外にも7〜8本は当たり前、スソでも3〜5本という船宿が多く、ついにやってきたか、という感じでその後は毎日釣果情報を楽しみにしていた。

 

山田君の主催する「大人の遠足」グループの一人、岩見さんが主催する仕立て船に乗り込んだのは11月5日土曜日。総勢8人が松輪港に集まったのは午前5時頃。出船は結局6時20分だったのだが、ワラサフィーバーが続く時期は港内の駐車場が想定外に混雑するため早めの集合時間に変更したためだ。クルマを止める場所がないのは釣りをする以前の問題。それだけワラサの襲来を待ちこがれていたファンがいたということ。ドラグを引き出す強烈な引きとブリと大差のない豊潤な味覚に惚れ込んだ釣り人が「なんとか1匹でも」と松輪港に馳せ参じるわけだ。

 

当日の宿はあまさけや丸。仕立てと予約乗合がメインの老舗宿。当日はなんと4隻とも出船。岸壁には4隻が連なり、活気溢れる雰囲気に釣り人は気合いが入る。とはいえ、仕立て船だとちょっと和やかな印象である。同船した女性アングラーからのお菓子やクッキー、せんべいなどが手渡しで配られ挨拶がてらの8人が笑顔で語り合う時間が案外貴重ともいえる。

 

最初のポイントまでは航行すること約20分。ワラサ船団の中にあまさけや丸も突入。水深50数辰ら釣り開始となる。海面からのタナ取りかと思われたが、ビシを海底に落としてからのタナ取りでもOKという臨機応変な釣り方となり、ハリス8号6mで始める人が多かったようだ。私が座った右舷ミヨシから2番目はコマセ巻き係=山田君のすぐ左隣ということで期待したのだが、最初の1匹目は私の右隣の大田区から来た山上さんにヒット。強烈なワラサの突っ込みに対して手巻きで最後まで対応していたのが印象的だった。というのも、船長は「基本的に巻き上げは手巻きでやって下さい。電動巻きでは不意の突っ込みでバレることが多いから」というのだ。掛けた本命はバラして欲しくないと思うのは当然。数日前からフィーバーが終焉したような釣果が続いていたからでもあろう。船中釣果が0〜3前後では厳しいことも予想できた。水深は徐々に深くなり、船長からの指示ダナが75mという、まるでアマダイ釣りのような水深になっていった。

 

だが、モーニングサーピスは山上さんの後から数人が立て続けて午前8時30分頃までワラサがポツポツ釣り上がった。型はどれも4kgオーバーといった太い腹回りが好印象だ。私は残念ながら2回も針外れ。スッポ抜けでバラしてしまった。ただ2回のうち1匹はワラサクラスではないと感じた。最初の突っ込みが弱く、ドラグが滑ることがなかったからだ。50cm弱のイナダであろう。その後、私もイナダクラスを2本釣り上げたが、ワラサには嫌われてしまったようだ。

 

午前9時40分を過ぎると、ワラサタイムは終了。船団から離れてマダイ五目に変更した。天気はその頃から晴天となり、風も穏やかになり凪ぎに。合羽の上着を脱ぐ場面もあり、のんびりとしたワラサ釣りになった。ただ、そこでもベテランの岩見さんは5kg級とも思える良型のワラサを釣り上げて、ついに5本の竿頭に。左舷ミヨシが特別な特等席とは感じなかったが、どんな釣りでも「釣る人は最後まで釣る」という貫禄が感じられた。ロッドワークや取り込みでも終始落ち着いて対処していたのが印象的だった。

 

午後1時20分、無念の沖上がり。私は本命ワラサはゼロ。全長47cmのイナダを2匹、34cmのマアジを2匹、早朝に仕掛け回収途中で釣れた平ソウダをクーラーBOXに納めた。まぁ、お土産が適度にあるのだから文句は言えない。2年ぶりのワラサを1本は釣ってみたかったというのが正直な所である。ドラグが滑りながらリールを巻き上げる快感を味わいたかった。

 

最後に船長に今年のワラサ事情を聞いてみた。「今日は群れがギッシリと魚探に映っていたから良かった。時々、イワシの群れを追い掛けて群れが突然消えることもあるけど、今年は年内一杯はワラサを狙って行けると思います」と自信たっぷりに締めくくってくれた。

 

 




佐島港つね丸 カワハギ釣り

 

毎年必ず1回は訪れる船宿がある。佐島港のつね丸だ。理由はバースデイ割引があるためである。乗船料が誕生日の前後1週間のうち1回だけ半額になるという。つね丸では、マダイとカワハギの2隻があり、私は迷わずカワハギを選んだ。エサ別で通常7500円が3750円になるのだ。

 

つね丸は湾内に停泊している船に小船(ハシケ)を使って乗り込むシステム。そのために出船の1時間前には受け付けを済ますのがキマリ。出掛けのは10月27日の木曜日。受け付けで乗船名簿を記入すると、釣り客は私一人しかいないことが発覚。まだ時間があるのだからもう一人位は来るだろうと思っていたが、なんと結局私一人で午前7時20分には出船ということに。まさに大名釣りである。

 

当日の天候は薄曇りで北風がやや強い。三浦半島に強風注意報が出ていた。だが、相模湾は北寄りの風には強い。陸から沖へ吹くためウネリは出ない。とはいえ、繊細なカワハギからのアタリを察知するには苦労しそうだ。最初のポイントは湾内からわずか5分で到着。水深9mの浅い場所から釣り開始となった。冷凍アサリを3本のハゲ針4.5号に装餌して投入。すると、すぐにアタリは出たのだが、針にはかからず餌だけ取られる。エサが速攻でなくなるのは本命カワハギがいる証拠。

 

そこで釣り方を変えてみた。25号の球形オモリが着底したら即座に竿を煽って底から2mほど高く跳ね上げてから徐々に竿先を上下に振るわせつつ下げて行く。30〜40cm程度少しずつ下げて行き、最後にオモリが着底したら道糸のテンションをゼロにして1〜2秒待つ。その直後に聞き合わせをすると、ガガガッと針に掛かる気持ちの良い引きを味わいながら巻き上げる。これが私の基本スタイルだ。この釣り方でほぼ終日過ごしたが、朝のうちは有効であった。時々、道糸をわずかに弛ませる釣り方もやってみたが、これも

効果的で、カワハギがアサリを捕食する際に頭を斜め下方向に傾けるため、針掛りが容易ということ。

 

だが、陽が高くなり始めると、ベラ類やトラギス、キタマクラが寄ってきてエサの消耗が激しい。魚の活性が高いのは良いのだが、オモリを底に着けてしまうと、ゲストの餌食になってしまう。そこで、午前10時過ぎからは底上げ1m前後でカワハギを待ち受けるスタイルに変更したが、うまく掛けられたのは1匹だけ。ゲストを避けるとカワハギも追ってこない。カワハギにエサを追わせるスタイルはやはり前述の方法が得策である。

 

また、投入は2mほど沖目に投入してフリーフォールで仕掛けを沈めてやる。周囲にいるカワハギにエサを広くアピールできるからだ。一度エサを見せておいて、着底直後2mほど巻き上げてから上から徐々に下げて行く方法が最も効果的だった。因にオモリは白塗り。さらにヒラヒラスカートを装着した。好奇心の強いカワハギには効果的なようだ。

 

残念だったのは全長20cmを超えるサイズは減り、14cm前後のワッペンが多くなったこと。10月も下旬になると型より数が重視されるが、良型が減るのも寂しいもの。針掛りしてからリールを巻き上げてくる際の強烈に突っ込み、海面直下で横走りする快感がワッペンでは味わえないからだ。3匹ほど20cmオーバーが掛かったのだが、その時の感触はワッペンとはまるで別の魚か、と感じるものがある。

 

それでも沖上がりの午後2時30分までに合計25匹を釣り上げて大満足。リリースは6匹前後。最少サイズは12.5cm。最大で22cmだった。当日は私しか乗っていないためか、魚の割り当てが多かったと思う。船長は「もう2〜3人乗っていればもっと活性は高まったと思うよ」と語っていた。エサが数多く落ちてくれば魚の集まり具合が違うらしい。ただ、うまく針掛りさせることができるか否かは腕次第ということだろう。

 




金沢八景弁天屋 午後スミイカ釣り

 

10月22日土曜日の午後に釣り部後輩の山田君と弁天屋のエギスミイカ釣りに出掛けた。今年は東京湾スミイカの湧きがとても良く、竿頭が10杯以上の日が多いと聞けば、行きたくなるというもの。しかも、のんびりと午後船だから体力的にも負担は軽い。仕掛けもタックルもシンプルで手軽である。10号の中オモリにハリイ4号を1.5mほど付けて、その先端に2.5号の餌木を装着するだけ。釣り方も簡単。底まで中オモリを沈めたらハリス分を巻き取り、底から20cm程度を餌木が漂うようにすれば良い。時々鋭くキュッと竿先を煽ってイカを掛ける感じで釣ればいい。マメに底立ちを取り直すことも大切だ。

 

出船は午後12時30分。ほぼ定刻に桟橋を離れて最初のポイントに向かって走ること約20分。富岡沖らしき場所からスタート。水深は18m前後。私と山田君の釣り座は左舷ミヨシから2番目と3番目に並んで入った。釣り開始から1時間たっても船中誰に竿も曲がらない。乗りの渋い谷間の日に当たってしまったようだ。船長は「潮が全然動かないので乗りは渋いね。餌木も時々は交換してみて下さい」と苦心の操船が続く。

 

午後2時過ぎになってやっと船中でポツリポツリとスミイカが上がり出したが
私と山田君の竿には反応がまったくない。ときどきフグが餌木にアタックして悪戯する場面もあったが、掛からない。私の左隣の方は2時30分頃には3杯目を釣り上げて順調に数を延ばしていた。餌木の色はオレンジベースの2.5号。ほぼ終日餌木の交換をせずに釣っていた感じ。それでも沖上がりまでに5杯を釣って竿頭に。横で釣り方を眺めていたが、特に特殊なテクニックは見当たらない。マメな底立ちの取り直しと適切なタイミングのシャクリだけ。違うとすれば竿の感度とオレンジ餌木の文様だけだと思われる。

 

だが、最後まで私と山田君の竿にはスミイカからのシグナルは訪れなかった。私はスミイカ2回目の初心者である。とはいえ、初体験の際には1杯は乗せているので一応感触は掴んでいると勝手に思っていたのだか、激渋の最悪の日に遭遇してしまったのは仕方ない。後半は八景沖に戻って点々とポイントを移動してくれた船長。とうとう10分ほどサービス残業をしていただいた感じで、午後4時40分に沖揚がりとなった。

 

船中16人ほどの釣り人の中でボウズは半分。その中に私と山田君もいたことは言うまでもない。イカはスミイカに限らず機嫌が悪くなると途端に乗りが渋くなる生き物といえる。「今年はスミイカの当たり年」と言われていても釣れない日もあるのだ。自然相手の釣りだけに厳しい日に当たって初めて考えさせられるもの。次ぎは絶対に釣る、そう誓うしかない。深場に落ちる前に再度餌木シャクリのスミイカ釣りに再度挑戦したいものである。といいつつも、シャコを括り付けたテンヤ釣りも体験してみたいと思う天性の浮気性の私がそこにいる。困ったものである。

 



網代湾内田丸 ボートサビキ五目釣り

 

これまで色々な場所や湾内でボート釣りを経験してきたが、初体験のビギナーを連れて楽しく快適にボート釣り体験をしてもらうのがこれほど大変だったことはない。10月21日は網代湾で5年ぶりのボート釣りを敢行した。同行者は某マスコミ飲み会で知り合った出版プロデューサーの安恒さんである。これまで堤防釣りや乗合船の経験はあるのだが、手漕ぎのボート釣りは初体験。私が誘って楽しい体験をしてもらおうと思ったのだが、これが真逆になってしまった。申し訳ない思いで一杯である。

 

安恒さんは別宅を網代に持っているため釣行の数日前に現地入り。前日も堤防釣りを兼ねて現地の釣果情報を調査していたという。午前7時に待ち合わせてギリギリに到着した私が支度を整えて出航準備が完了したのは20分後とのんびりした進行だが、これがボート釣りの良い所。平日の金曜日だが前日に内田丸に電話を入れて、念のため予約を入れておいた。基本的に出航時間は自由。もちろん、帰港時間も最終着岸=午後3時を遵守すればその前に上がっても問題はない。

 

それが3時間以上も早く港に戻ることになるとは出航の時にはつゆも思わなかった。ここ網代湾でのボート釣りは基本的にアンカーを使わない。それは水深が深く、アンカーを投入するにもロープが50m以上必要になる。

 

それが5年振りに行ってみると「カワハギを狙うならイケスの脇にアンカーを入れて係留は絶対に禁止だから」と言われてビックリ。これまで空のイケスなら係留ロープで固定するのは暗黙の了解となっていたはず。それがダメというのは想定外の規約だ。時代が変われば規則やルールが変わることはある。だが、空のイケス、つまりイケスの枠組みしかない鉄のパイプに係留ロープを括れないのは理解できない。ボート店主の話では「マナーやルールを無視する無法者がいるので仕方ないんです」とのこと。確かに、昔はイケスの上に被せてある網を破ってマダイの養殖イケスの中に餌のついた仕掛けを入れて釣りをしたという、窃盗罪を実行した釣り人がいたという。冗談にしてもそれは釣り人ではなく犯罪者だ。マナー以前の問題である。

 

とにかく、カワハギ釣りで30mのアンカーロープを出し入れするのは辛いと考えて、内田丸専用の6個のブイのひとつに係留することに。カワハギを寄せるためにまずはアミコマセでサビキ釣りをすることにした。だが、オレンジ色のブイには貝類が密集して付着しているためロープを括るのに一苦労。慣れていれば簡単なのだが、当日は沖からのウネリがあり、手かぎ棒をうまくかけられずに時間がかかってしまった。凪なら簡単に括れると思うのだが、5年振りの網代湾は安直には釣りをさせてくれない。

 

やっと括り付けてボートが安定した所で釣りを開始。時計の針はすでに8時を回っていた。潮回りは中潮。午前8時47分が満潮だから潮変わりが近い。早速安恒さんのタックルと仕掛けを準備してサビキ仕掛けを投入。不意の大物がヒットしても切られないようにハリス4号のサビキを使った。オモリは30号。水深は仕掛けの長さを考えても約33m。私は軟調竿に両軸リールの組み合せで、ハリス2号のサバ皮サビキを選んだ。どんな潮にも対応してくれるサバ皮を愛用しているからだ。

 

東寄りの北風は弱いのだが、沖からのウネリは予想外に高く、ヌタ〜と大きくボートを浮き上がらせる。それでもなんとか2投目に大きく竿先が曲がったので慎重に巻き上げると海面に顔を見せたのは白っぽい魚体のウスバハギだ。鋭い突っ込みをかわして安恒さんのタモ入れで無事に取り込みに成功。写真撮影もしてもらい、感謝! 

 

ところが、これが最後になるとは。コマセにアミノ酸が入った集魚剤&増量剤を混入してたっぷりのアミコマセを準備したのだが、ウネリによるボートの揺れに勝てずにとうとう船酔いならぬボート酔いに襲われてしまい、結局午前11時20分には竿を畳んで港に漕ぎ帰った。言い訳がましいのだが、釣りをしていてアタリが何もない時間が長いのは辛い。釣れないとボートの揺れをいつも以上に感じてしまう。外道のスズメダイやネンブツダイすら針に掛からないのだからやる気は失せる。

 

港に上がってからボート店主の話では「サビキ釣りではハリスが短いためウネリがある日は魚が警戒心を強めて掛からない。ビシ仕掛けでハリスを3m以上に長くすればなんかしら釣れたはず。マダイ狙いの人はハリス6m以上だから」という。安恒さんはオキアミを持参していたが、ハリスの長いビシ仕掛けに交換する余裕もなかった。残念だが、事前の準備不足と情報確認ができていなかったということだろう。5年近くもご無沙汰していた網代湾からは厳しい試練を与えられた感じだ。「前日は2kgサイズのマダイ3匹も釣ってきた人がいたよ。やっばり同じ場所に通わないとね」と痛いところを突かれた感じ。私も10年以上前は水深56m程度で釣友とオニカサゴやアマダイを釣ったものだった。それは凪の日の流し釣りの話。

 

唯一の救いは持ち帰ったウスバハギの刺し身が予想以上に旨かったこと。肝もしっかりと入っていて、カワハギと同等の味わいを堪能できた。しかも3日目でも刺し身が食べられたのは驚き。ただ肝和えは2日目までにした方が良い。初体験のウスバハギは侮れない味覚の持ち主である。

 




小田原早川港平安丸 ヤリイカ釣り

 

今年になってから釣りたてのヤリイカを食べていないなと思って数週間前から船宿の釣果情報を色々とネットで眺めているとどうやら城ヶ島方面より小田原沖〜初島沖の方が数が出ていると判断。行くなら小田原だろうと決めて出掛けたのが10月10日の3連休最終日となった。前日は南西強風で天候も雨というのに乗合船は出ていた。それでもスソで7杯前後は釣れていたので、いつもの平安丸に電話を入れて一応出船の確認をしたところ、「出ますよ。出船は6時10分ですから」と言われてビックリ。HPでは午前6時30分が出航時間なのだが、案外HP情報というのはあまり当てにならないと思った。

 

当日は雨はないものの北東風で肌寒い陽気。それでもすでに日の出前から港の駐車場は混雑していた。午前5時10分に港に到着して受け付けを済ませて乗り込むともう支度に余念のないイカ釣りオヤジが数人も。安定した釣果が出ていればそれも当然だろうと思ったが、私は約1年ぶりのヤリイカ釣りだから不安が一杯。もちろん、これまで何度もヤリイカ釣りには訪れているが、11cmのイカヅノを7本も投入器にいれてから120号のオモリを投げ込むのは久しぶり。うまく仕掛けを投入できるか否かも不安が過る。と同時に両隣の釣り客にオマツリなどで迷惑をかけないようにと一応朝の挨拶をして支度にとり掛かった。

 

私のタックルは1.8mの安価なヤリイカ竿にシマノ製小型電動リール。ただし、型はどちらも古い。道糸はPE5号で最近のイカ釣り用としてはやや太い。だが、水深はまだそれほど深くないから大丈夫だろうと甘く考えたのが最初のしくじりだった。ヤリイカは基本的に海底付近を遊泳する。だから、一番速く仕掛けを海底に送り込んだものが最初にイカの乗りを得ることができる。リールは古いは道糸は太いはでは、戦力的に辛い。それでも欲張った釣果を期待しなければ何とかなるだろう釣りを始めたのが午前7時50分頃。港からは約30分前後で真鶴沖に到着したものの、イカの群れを探索しながら最初の投入合図が出たのがその時間だったと記憶している。およそ10分は走り回った感じだった。

 

無事に投入出来た直後にイカらしき乗りを感じたのだが、どうやらそれは15号の中オモリと潮流の押され具合で一瞬「乗った」と思っただけ。1年振りのヤリイカ釣りはそんなに甘くなかったのだ。イカの乗りを感じる感覚すら忘れていて、クンクン、という繊細な乗りを感じ取れるほど熟練した腕を持ち合わせてはいない。北東風は想定よりやや強く海はウネリを伴って船は揺れる。それは想定内だが、乗りが渋いとシャクリに神経を使う。スルメイカのように大きく強くシャクレば良いというものではない。オモリ着底直後は少しだけ糸フケを出して仕掛けを弛ませてから道糸を張る。活性の高い日はそれだけで乗ってくるのだが、当日は上潮が速くトモ方向に流され、底ダチを2回ほど取り直さないと着底が確認できないことが多かった。仕掛けの回収時にオマツリが多発したことは言うまでもない。

 

それでも左隣の須藤さん(綾瀬市)はソフトなシャクリと巻き落としを交えて乗りを捉え、ポツリポツリながら乗せている。途中仕掛けをすべて交換すると一気にイカの乗りが増えたようだ。時には3点掛けもあり、足元のタルにはヤリイカの姿が少しずつ増え始めた。一方、私はというとイカの乗りが分からず苦戦が続く。確実に乗った、と思って巻き上げてもイカの姿はない。ツノに墨跡やヌルがベットリということが数回続いて、今日はついてないなぁ、とボヤキつつ仕掛けを回収すると、ツノが1本なくなっている。これは結び方が雑なため外れてしまったということ。実は最初の投入直後にサバが掛かり、その際に結びが弱っていたのかもしれないが、すべてにサバが掛かったわけではないのだから自分のハリスと幹糸との結び方が甘かったということ。それも1回や2回ではなく、沖上がりまでに4回もあった。イカヅノと浮きスッテの消耗はバカにならない。

 

そんなことを繰り返しつつ、やっと当日の1杯取り込んだのがなんと午前11時少し前である。とりあえず、ボウズはなくなったがそのイカのサイズが極端に小さくて情けなくなった。まるでマルイカのミニサイズのようだからだ。まぁそれでも初物だから気分は悪くない。この時期は小さいメスイカが旨いのだからと自分で慰めていた。周囲では水深130m前後でポツリポツリと数を増やしているようだが、私の仕掛けにはなかなか乗ってこない。たまに「乗った」と思って電動で巻き上げてくるとバレている。ツノにイカ墨がべっとりということは何回もあったが、難しい釣りに頭を悩ませていると、ついに数年振りの船酔い襲われてしまった。北東風のウネリ程度で酔ったことはなかったのだが、前夜からの睡眠不足が祟ったようで、気力が萎える。

 

途中でイカヅノの交換なども考えたが、辞めた。理由は自分のリールが古いためかオモリ着底が極端に遅いのだ。右隣の釣り人が着底した時にはまだ85mのカウンター表示というからどうしようもない。須藤さんと比較しても8秒は遅い。イカの乗りが悪いのは自分の仕掛けや誘い方が悪いだけでなく、仕掛けの着底が周囲の人より遅過ぎるからに違いない。そう考えると、もうどうにも元気が生まれない。なんとか2杯目を釣り上げてからは「ヤリイカはもう辞めようか」とさえ思ったほど。実は久しぶりの船酔いが辛かっただけ。(笑)

 

結局、午後2時5分に沖上がりの合図。私は船中スソの2杯に終わった。だが、巻き落としを含めて知っている誘いはすべて繰り出して頑張ったつもりだ。その貧果を素直に受け止めるしかない。要するに、修行が足りないのだ。この時期のヤリイカは低活性になると非常に乗りが分かりにくく、難しくなる。それを再認識しただけでも良い教訓になった。ハリスの結びからもう一度出直す必要がありそうだ。

 

そんな私の悲惨の状況を見かねて須藤さんからお裾分けを頂いてしまった。しかも5杯も、である。美味で貴重なヤリイカを5杯も頂きまして、有り難う御座いました。感謝感謝で涙が出そうになった。また、今度平安丸でお会いできましたら改めてお礼を申し上げます。ヤリイカの刺し身は実は当日よりは2〜3日目が甘みが増して絶品だ。ワサビ醤油と生姜醤油の2通りで食べると飽きがこないので大量に食べられることを報告して不漁の釣行記を締めくくろう。

 





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