京急大津港小川丸 ショートタチウオ釣り

 

10月も下旬頃になると色々な釣りモノがあって、何を釣りに行こうかと迷ってしまうことが多い。台風22号が沖縄付近から本州に接近中という10月28日に出掛けたのは強烈な引きが魅力のタチウオに決定。当日はフェイスブックで釣り仲間になった伊東さんを連れ立っての釣行となった。伊東さんはビシアジ釣りの経験は豊富だが、今回のタチウオは初挑戦。お世話になったのは京急大津港の小川丸である。

 

当日は北東風の風が吹く小雨混じりの天候で若干波気はあったが、ポツポツ程度の雨模様で気になるほどではなかった。ただ肌寒くとても10月下旬の陽気とは思えなかった。それでもタチウオ人気は相変わらず高く、小川丸は予約乗合となっているため午前7時10分には両舷で12人のタチウオファンを乗せて一路観音崎沖のポイントに向かうはずだったが、なんと港から7分前後の大津港沖で船長はタチウオの魚群を発見。早々に釣り開始となった。水深は70m前後で底から10m上から反応があるという。

 

宿から支給されたサバの短冊を2回ほど針に縫い指しにして仕掛けを投入。オモリはPE2号で80号、3〜4号までは100号を使う指示がある。仕掛けはハリス6号1本針を使い、着底後はワンピッチショートジャークの誘い方で少しずつ上へと誘いを掛ける。リールのハンドルは半回転から3分の1回転で少し早いスピードで誘い上げるパータン。タチウオ釣り初の伊東さんには竿先を海面近くに下げた状態から1回シャクリ、水平近くまで誘ったら誘った分だけリールを巻いて、また竿先を下げて一呼吸ポーズを入れてから再び同様に誘う、という具合に誘い方をレクチャーするとすぐに要領が理解できたようでショートジャークのシャクリを繰り返していた。

 

私は開始10分でグングン、ガガっと突っ込みが来たので速攻で電動リールのスイッチをフルスロットルで巻き上げてくると、運良くこの時期のレギュラーサイズである全長80cm前後が釣れた。右舷トモのベテラン師も順調に数を重ねているが、アタリの数は多くない。伊東さんもどんなアタリがタチウオなのか分からずに苦戦している。それでも、40分ぐらいで「アタリがありましたが、うまく掛かりませんでした」と気難しいタチウオに翻弄されている様子。私は軽い押え込むアタリは無視して、そのまま同じ誘い方を続けていると途中で「ガガッ」と強く突っ込むアタリの時に竿先を強く跳ね上げてあわせるという説明をする。

 

すると1時間足らずに掛かったらしく電動リールのフル回転が耳に入ってきたが、残念ながら取り込みの直前で海面バラしに。これは針掛かりが悪く、取り込み直前にハリスを緩めてしまったために針外れとなってしまったようだ。そのバラしを解消するには、「針掛かりした直後に電動リールを巻き上げている途中で2〜3回ほど追い合わせを入れること」と教えた。タチウオの口回りは想像以上に硬く、針先が貫通していない場合が案外多い。追い合わせをすることで針先が貫通するようになる。

 

その後、伊東さんはすぐに掛けてから追い合わせを入れて無事に人生初タチウオを取り込むことができた。私も他人のことながら嬉しかった。教えた通りの釣り方と誘い方で釣れてくれたからである。9時過ぎになると活性が高まったようで周囲でもポツポツと良型のタチウオが船中に取り込まれている。私も10時前には待望のメーターオーバーが掛かり、強烈な突っ込みでドラグが滑る瞬間を何度か体感して、取り込んだのが数年振りの1m05cm(後検寸)で満面の笑顔で伊東さんに撮影してもらった。

 

ポイントは観音崎沖とそのすぐ近くの走水沖を点々と魚群を探索しつつ、探り歩く感じ。水深は浅くて50m前後、深くても70m前後が中心。群れの範囲は10も前後だが、タチウオは気紛れな性格で、餌を追い掛けて船長の言う指示ダナの上下3mは誘い続けた方が良い。例えば船長が「55〜45m」と言っても42mまでは誘い続けたい。下の方も57mまで落としてから誘いを始めるといい場合がある。

 

午後になって最後のポイント、下浦沖まで走って少し深い95m前後まで誘ったものの私は1本を最後に追加できて、午後1時に沖揚がり。当日の竿頭は私の右側に座っていた右舷トモの釣り人で18本。私はなんとか9本まで数を延ばしたがツ抜けまでは届かなかった。伊東さんは初挑戦で3本をゲット。リッパである。私のタチウオ初挑戦は確か2本だったと記憶している。食い渋りになればベテランでも5本も釣れないことがある。それだけ気難しい魚なのである。別名は幽霊魚。

 

自宅に戻ってメーターオーバーの良型を炙り刺し身で食べたが、脂が乗って上品な甘みが感じられて酒が進んでしまった。これはいつものこと。次回はもっとデカイのを釣りたいと今から算段中である。

 




金沢八景弁天屋 カワハギ釣り

 

台風21号が過ぎ去った10月24日火曜日、かねてから「今年はまだカワハギ釣りに行っていないんですよ」と残念そうな言葉を釣り部後輩の栗原君から聞いていたのでぜひとも釣行したいと思っていたのだが、台風の爪痕が予想以上に厳しく、特に湘南エリアでは大半が台風のゴミ処理と港の流氷物等の残骸撤去をするためにどうしても24日は休みます、という船宿ばかりで困り果てた。こうなると意地になって出船する船宿を探しまくるのが釣りキチの性というもの。

 

すると運良く見つかったのが金沢八景の弁天屋。2人で予約を入れようと電話をすると基本的に先着順だから早めに来て下さいとのこと。平日の火曜日だからと高をくくっていたらとんでもない。当日、出船の1時間前に到着したのだが、余裕はなくなんとか先着の栗原君が釣り座を確保していてくれたので難を逃れたが、もし時間ギリギリなら乗れなかった可能性もあった。理由は簡単だ。台風一過の爆釣を期待した熱狂的なカワハギファンが集ったからだ。相模湾方面の船宿は前述の港清掃で休日としたところが多かったから、当然弁天屋に釣客が集中したというわけである。

 

当日は北寄りの風が少し吹いていたが、ウネリは弱く釣りに支障は無かった。ただ曇天でやや寒く感じられた。10月下旬の気温としては低かったのではないだろうか。片舷で9人、おそらく両舷で18人近くが乗り込んだカワハギ船は定刻通り一路竹岡沖に向かった。波風はそこそこだったが、船長はポイントまで40分近くフル加速で操船して、水深17mから釣り開始。だが、最初のポイントでは船中誰もカワハギが釣れずに早々に移動となった。

 

船長は魚群探知機で魚群を探索しながら、転々とポイントを探してくれる。私は竹岡沖でカワハギ釣りをするのがたぶん初めてと記憶している。東京湾での釣りはアジやイナダ、マゴチ程度だからだ。まして千葉県寄りの竹岡沖は根は少ないものの不慣れで釣り方に違いがあるのでは、と思っていたのだが、今回は違った。全体的に海底はフラットで起伏が少ない感じ。もちろん、海藻根は点在するもののオモリや仕掛けをすべてロストしてしまうような岩礁帯ばかりというポイントは皆無だったような印象である。砂地帯が主体の釣りやすい場所が多かった。

 

だが、カワハギの活性は朝から低く、底荒れの影響があるのかも、と思いつつ船中の釣れ具合を見ていると、やはり釣る人は釣る、といういつもの状況になってきた。私が最初の1匹目を釣り上げたのは午前9時10分頃。型は17cm前後で竹岡沖のレギュラーサイズといった感じ。周囲でもポツポツと20cm弱が釣れていたが、ワッペンが少ないのが嬉しかった。12cmを下回るようなミニサイズではリリースするしかない。

 

それが竹岡沖にはまだ少ないと感じたから頑張り甲斐もあるというもの。たまに釣れてくる良型はなんと25cmオーバーのビッグサイズだから期待してしまう。午前10時を過ぎると私が座る右舷胴の間近くでも数が釣れるようになり、久しぶりに楽しい釣りが楽しめた。右隣の栗原君はなんと良型のダブル掛けで取り込み、思わず撮影をお願いしたのは言うまでもない。カワハギ釣りでダブル=一荷で掛けるのは至難の業だからだ。昼近くになると、私の釣果も上り調子に。終盤近くになってとうとう待望のメガハギを釣ることができたのだ。リールを巻く手を止められるだけでなく、ガンガンと突っ込む強烈な引きは違う魚か、と思ってしまうほど。海面に顔を出したカワハシギは間違いなく良型だ。海面で左右に横走りする魚体を隣の栗原君にタモで掬ってもらってホッとひと安心。9月には江ノ島沖で良型を抜き上げる瞬間に針が外れてバレてしまったから、正直焦った。今度こそメガハギを釣り上げたい、その一心がタモ入れのアシストを仰いだ。自宅で検寸すると全長26cmもあった。リベンジ達成である。

 

午後2時30分に沖揚がり。久しぶりの1日船でカワハギ釣りを堪能できた。初体験の竹岡沖でのカワハギ釣りは大成功。今回分かったことは海底地形や場所によって最適な釣り方に違いが出るということ。もちろん、時間帯やタックル、潮具合によっても異なるのだろうが、初めて釣った竹岡沖は私の好きな釣り方にピッタリと感じた。

 

要するに、得意な釣り方で数が釣れたからだ。どんな釣り方かというと、オモリが着底したらとにかくすぐに2mほど仕掛けを浮かせて、ゆっくりと竿先を揺らしながら少しずつ下げて再度オモリを底に着けて、数秒間アタリを待ってから、今度はタタキを10回程度入れる。その数秒後に仕掛けを弛ませて2秒待ってから聞き合わせる。この釣り方で釣果の半分以上をキャッチできた。根がキツい湘南、佐島エリアでは根がかりが多く、仕掛けやオモリのロストが多くなるため、その地域での釣り方として合っていなかったようだ。

もうひとつ特筆したいことがある。それは弛ませる釣り方ができる場所では光沢のある集器や派手なオモリが有効ということ。同乗した釣り人の仕掛けが数多く沈んでいることを考えると、カワハギに自分の仕掛けをアピールする意味でも集器、中オモリ、白塗りオモリ、花火といったアクセサリーは不可欠と感じた。今回新規に購入したシマノ製の集魚板「イチコロイタ」は効果があったように思う。台風21号の過ぎ去った竹岡沖は水色が濁り、水潮が表層を走る釣りにくい場面もあった。

 

それでも船中トップは34匹、2番手が30匹だったとか。型も17〜29cmでワッペンが少ない。これも魅力だ。私は最大26cmを筆頭に15匹を釣ることができた。自分の好きな釣り方に適合した釣り場に行く、ということもカワハギ釣りの醍醐味なのかもしれない。それを教えてくれた竹岡沖の海に感謝したいものである。
 




松輪港あまさけや丸 ワラサ五目釣り

 

フェイスブック繫がりで集まった6人がワラサ狙いで松輪港あまさけや丸に乗り込んだのは10月8日の日曜日。主催は横須賀市在住の小幡みどりさん。当日は晴れで北寄りの弱風が朝の内少し吹いていたが、概ね凪ぎ模様だ。定刻の6時30分より20分も早く港を離れることができたのは人数限定の仕立て船だからである。船長はピンチヒッターの代理船長だったものの、大人しい静かな操船で時間を掛けてポイントを目指す。

 

ただ遊漁船組合の取り決めで釣り開始は午前7時からと決まっている。私はちょっと苦手なミヨシ(右舷)に釣り座を構えた。右手が小幡みどりさんでトモが小幡さんのご主人。左舷も3人で日曜日のワラサ釣りとしては大名釣りに近い状態だ。本命ワラサが掛かればオマツリは必至。そんな時に片舷で3人というのは贅沢である。竿入れの協定時間7時に釣り開始。船長の指示ダナは海面下48m。ハリスが8号6mなので54mまで80号ビシを落としてしばし潮に馴染むまで数秒間待ってから3回に分けてオキアミコマセを振り出しつつ、指示ダナにセットする。

 

モーニングサービスは10分足らずですぐに訪れた。左舷の石井真子さん(川越市)はなんと本ガツオを早々に釣り上げて喜色満面で撮影に協力していただいた。周囲でも、ポツポツとアジやサバ、ソウダガツオは釣れているが、本命のワラサがヒットしない。私の竿が曲がったのも同じ頃。ただ海面に姿を現したのはイナダ。後検寸で全長45cmだった。引きはイナダ特有だが、ワラサのそれとは大きく異なる。針掛かりしてから強引に突っ込むワラサならすぐにドラグが滑り、リールを巻く手が止められるのが一般的。たとえ3kg前後でも、最初の突っ込みはまさに暴力的で刺激的なのである。ワラサが否かはその突っ込みですぐに判断できる。イナダでは、電動リールのスイッチを入れてもほとんどの場合、ドラグが滑り出すほど豪快な引き込みがない。小幡さんもイナダを釣り上げてひと安心した表情だ。

 

ところが、時計の針が7時30分を過ぎると、アタリが遠くなり、多彩なゲストも掛からない。豊富なメニューのモーニングサービスはものの30分足らずで終わってしまったようだ。小幡さんは1時間もすると仕掛けを細字掛けに交換した。ハリス6号6mでワラサ+マダイ狙いに変更したようだ。それでも付け餌のオキアミも齧られないまま戻ってくることもあり、魚の群れが消失した寂しい時間帯に突入してしまった。私はというと、アタリがないだけに退屈してしまい、仕掛けを細しかけに変更する手間まで省く無精者に早変わり。実はそのとき、すでに睡眠不足が祟って若干船酔い気味になっていたのだ。マメな手返しもそこそこにハリス8号6mのまま何もしないのは釣れない証し。しかも、ロッドキーパーに任せたままの置竿、というより放置状態に。これでは釣れるわけがない。お土産になるイナダを2本クーラーBOXに血抜きしてから保管したので、安心感があって眠気にも襲われた。

 

その点、小幡さんご主人と左舷トモの有泉さんはしっかりマダイ狙いに転向していた。仕掛けはハリス4号6〜8mに変えていたのだ。朝のうちの北東風も完全に止み、穏やかな海面を夏空の紫外線が容赦なく照らす。こうしたマメな仕掛け変更が功を奏したのか午後1時少し前には有泉さん(鶴ケ島市)が1kgオーバーの良型マダイを釣り上げた。お見事というほかない。食べ頃サイズのマダイは見るからに美味しそうであった。

 

ゲストのアタリが消え失せても裏本命、マダイを諦めなかったことが幸運をもたらしたと言えそうだ。長い時間の置竿はもってのほか。最後まで諦めない精神が大切ということである。

 

結局、午後1時30分に沖揚がり。船中6人で本命ワラサはゼロ。前日は悪天候だったが、釣り船が少なく釣客も少なかったため某宿ではトップ13本という驚異的なワラサ釣果を実現したという。あまさけや丸の女将さん曰く「昨日はね、釣り人の数よりワラサの数が上回っただけ。釣れる時には釣れるのよ」とハッパを掛けられた。私の場合は、それ以前に朝のゲストの時合が過ぎてから諦めムードを体全体に漂わせていたのだから釣れるわけがない。まだまだ修行が足りない、ということだろう。

 

最後に味覚の話で締めくくろう。45cmのイナダは定番の刺し身で美味しく頂いたが、実は一番旨かったのが最後の流しで釣れた35cm弱のサバだ。包丁で皮を引く時に付着する脂が凄かった。まだ10月上旬というのにしっかり脂が乗っていたのには驚いた。松輪サバ、恐るべしと書いておこう。

 




金沢八景荒川屋 午前LTアジ釣り

 

9月3日の豪華客船でのクルージングパーティに参加した時にひょんなことから「船で釣りをしてみたいですね」という一人の女性(渋谷区の藤井さん)の要望からトントン拍子に10月1日に金沢八景の荒川屋で午前LTアジ釣りを楽しむことになり、フェイスブックで繫がりのある人に声を色々と掛けて頂いたのが今回お世話になった実質の幹事役、森さんである。幅広い人脈をお持ちの森さんのおかげで私を含めて9人が集まり、穏やかな秋晴れに恵まれて初の沖釣りイベントは大成功となった。

 

その裏方として「釣った魚を調理して食べさせてくれるサンドフィッシュ)というレストランを併営している荒川屋さんの貢献度も大きい。今回の釣りイベントは釣り+食事にあったといえるだろう。ただアジ釣りをするだけではここまで人数は集まらなかったはず。釣り立てのアジを食べることで参加者全員の気持ちがひとつになれたのではないだろうか。

 

気になる実釣については可もなく不可もなく、といった印象だ。午前7時30分に金沢八景の同宿の桟橋から出航。当日は他の団体さんもいて、総勢24人は乗っていた。我々のグループは大半が初心者で、貸し道具と貸し合羽だけでも7人。経験者は私と栗原君、もう一人ぐらいで、釣りがまったく初めてという女性も数人いた。それでも、水深約25m前後の小柴沖で釣り開始となり、すぐにアタリを捉えることのできた人も数人いて活性が高いと感じたのだが、そんな美味しい時間は長く続かなかった。朝の90分後までが当日のゴールデンタイムだったと記憶している。

 

潮の流れは適度に動いているため30号ビシのコマセは早くなくなり、マメな手返しをする人がポツポツと釣り上げていた。中でも釣り部後輩の栗原君は全長で30cmオーバーの良型ばかりを黙々と釣り上げて、嬉しそう。左舷の大ドモという特等席に座っていたとしてもアジ釣りの腕は確かだ。指示ダナは底から2m。ビシが着底して正確な底ダチを取り直して、1m巻き上げて1回コマセを振りだし、もう1m巻いて再度コマセを振ってアタリを待つスタイルが一般的。2分待ってもアタリがない場合は、再度ビシを海底まで落とし直してからシッカリと底立ちをとって、底上げ2mでアタリを待つ。これを2回繰り返したら、ビシを回収してコマセを詰め替えて再度仕掛けを落としていく。この繰り返しだけだから難しいことはない。

 

ところが、釣りがまったく初めてという人にとっては慣れない動作が続くため、アタリを長い時間待ってしまう。すると、ビシが海底近くで動かないため隣同士の仕掛けとオマツリをしてしまう。船は潮に任せて少しずつ流れているため、マメな底立ちの取り直しこそがオマツリを防止する対策のひとつにもなるのだ。因に荒川屋のオリジナルLTアジの仕掛けは全長で1mだ。その理由はオマツリの防止と魚を掛けたまま取り込める長さということらしい。一般的にはハリス長は短くても1.8m、通常で2mである。それはビシをコマセカゴに入れてからハリスを手にもって大きく腕を延ばして取り込めば難なく船内に入る。

 

だが、そうした一連の動作が慣れていなければ口頭で説明されてもすぐには実践できないもの。特に魚が掛かって海面に姿を現せば心は焦りまくる。それが初心者というもの。慣れていなければ上手く取り込めない。海面で3回もバラしたり船内に取り込んだ後にも魚が跳ねて海中に自然リリースしてしまったケースも多かったようだ。それも初めての釣り体験としては大切な思い出となる。次回からはどうしたら上手く取り込めるのかを考えて行動するといい。ベテランや常連客の釣り方や取り込み方を横目でシッカリと見て覚えることも大切なのである。

 

当日は中乗りさんも一人乗船していたが、どうしても船内通路が狭いため軽快なフットワークで移動することができない。できれば、取り込みの手助けや仕掛けのオマツリ解きをもっと手伝って欲しかったというのが正直なところである。もうひとつ疑問点がある。船内にタモ網が1本も置いていないのだ。これは船長の考え方で、たぶん釣り人とアジとの真剣勝負を望んでいるのだろう。取り込みで失敗するのは釣り人の負け。海中に逃げて帰れたのはアジの勝ちということになる。

 

とはいえ、30cmオーバーのアジは海面から抜き上げる時に重力が一気に掛かるため、上顎の硬い部分に針が掛かっていなければバレてしまう。これだけはなんとかして欲しいもの。タモの手助けは許さないという船長の考え方なのかもしれない。結局、午前10時50分に沖揚がり。船中トップが35匹という。私は8匹だったが、1匹だけ全長35匹の良型をキャッチできたのがせめてもの救いか。名手、栗原君は30cmオーバーばかりを7匹も釣り、喜色満面であった。初挑戦の加藤さん(横浜市)はダブル掛けを披露して合計7匹も釣り上げていた。初めてで7匹はリッパ。しかも35cm級も1匹キャッチして満足そうだった。「アジが掛かってググッという感触が楽しいですね」と楽しめたようだ。

 

嬉しいのは釣ったばかりのアジをササッと短時間で調理してくれて食べさせてくれるレストラン「サンドフィッシュ」のサービス。もちろん、事前予約の有料だが、ご飯、味噌汁付で1800円は安い。料理は刺し身、塩焼き、そして人気のフライだ。中でもこのフライが超絶品。釣り立てのアジをフライで食べた記憶はほとんどない。噛んだ瞬間のサクッ、次ぎにフワッときて最後にジュワッと味わい深い味覚は筆舌に尽くしがたい。私は当日クルマで行ったためノンアルコールビールしか飲めなかったが、電車組の大半はビールのお変わりをしていたようだ。羨ましい限り。釣果以上にアジの味覚を満喫した釣りとなった。

 




長井港仮屋ボート サビキ五目釣り

 

ここ数ヶ月、大好きなボート釣りに行けていない。勝手気侭な手漕ぎボートは天候に左右されることが多く、天気が良くても風が吹くと出航中止になることが多い。しかも、仕事の都合や用事が重なることも多く、タイミングが難しかった。なんとか運良く天気の良い9月21日の木曜日に長井港の仮屋ボートから青物狙いで漕ぎ出せた。当日は朝から晴れで風も北風微風。最高気温が前夜の天気予報で29度になるとか。真夏日一歩手前である。

 

朝飯を佐島付近の牛丼店ですませ、林ローター近くの釣餌店(活きエサの徳丸)で冷凍アミコマセ1kgを320円で購入して、現地に到着。時計の針はすでに7時をとうに回っていた。港内の駐車スペース(無料)にとめて、支度をしてボートに乗り込んだ。前夜に電話を入れてボート店主に「水深25m近くを狙うのでアンカーロープは40m以上欲しいです」と伝えておいた。ツブ根の北側にあるカケサガリの岩礁帯に到着できたのは8時の15分ほど前。だが、アンカーを投入するには風向きや潮流を考慮する必要があり、到着直後はほとんど風はなかったが、大潮3日目だけに潮具合が読めない。まずはオモリ50号だけを投下して水深をリールの道糸でチェック。確実に水深が25m以上ある場所を確認。その際に潮の流れ具合も探りつつ、アンカーを投入したのだが。

 

コマセにアジパワーというマルキューの集魚剤を1袋混ぜて、汁気を除去してから詰め込んだ。オモリが着底して2mほどリールを巻いてからアタリを待つと、すぐにグググっと竿先に反応が出た。これは幸先の良いスタートかと思ったらなんとハリスが切られているではないか。2投目になって憎き犯人の正体が分かった。全長30cm近いシロサバフグである。フグは一般的に定着性が強く、広範囲に移動をしない習性があるという。つまり群れでこのフグがいれば仕掛けはいくつあっても足らない。ハリス切れで使い物にならなくなるからだ。そのとき既に40号のオモリを1個、切られて紛失している。

 

対応策はポイントの移動しかない。重たいアンカーを引き上げて漕ぎ出したが、山立てをするにも朝からモヤが掛かって岸側の景色が判然としない。長井港の赤い灯台や佐島沖堤防の白灯台など知っている山立て知識をフル動員して、場所を決定した。再度水深をチェックすると29m前後とやや深くなった。それでも風がないため40mのアンカーロープは半分も出て行かない。そのためか、ボートはゆっくりと移動する感じ。ここで少し粘ってみようと2本目の竿を出したのが良かったようだ。1本目の竿にはハリス4号のサバ皮サビキをセットしてオモリは40号だか、針数はフグの被害で3本に。2本目の棹には安価なバーゲン品のピンクスキンサビキを結んだ。ハリスは2号6cm。量販店で購入した5枚1パックのバーゲン品である。

 

午前10時20分頃、穂先がお辞儀をして、何やらアタリが訪れた。ただ、強い引きはない。海面に顔を出したのはなんとウルメイワシ。しかも6本針に4点掛けだからそこそこの重量にはなる。最初はこれは泳がせ釣りの餌にしようと考えたのだが、実際にはアンカーを投入しての掛かり釣りだから断念。流し釣りができないわけではないが、コマセ釣りの場合、一点に集中してコマセを撒いて魚を寄せるために流し釣りをすればその効果が極端に落ちることになる。つまり、どちらにウエイトを置くのかを明確にしないと「虻蜂取らず」「2頭を追うものは1頭も得られず」というハイリスクな釣りをすることになるからだ。

 

結局、流し釣りはせずにコマセサビキで粘ることに決定。のんびりとした釣りが好きな筆者にはその方が似合っているのだ。しかも、その後にラッキーなハプニングが訪れた。当日の潮変わりは午前11時30分頃。干潮から上げ潮に変わった直後にサバ皮サビキの竿に強烈なアタリがきた。穂先が海面に突っ込み、竿全体が弧を描きリールはドラグが滑り、ハンドルを回しても道糸は巻かれない状態が何度かあって、やっと海面直下に赤い魚体が顔を見せた。正真正銘のマダイである。全長は後検寸で28cmだったが、強い引きは充分堪能できた。

 

その後は相変わらずウルメイワシが多点掛けとなるシーンが何度もあり、数は延ばせるが魚の引きは楽しめない。少し仮眠をしたくなり、ボート内で寝転んで10分ほど寝込んでしまった。穂先だけは目視確認していたつもりだが、ピンクスキンの竿がカダカダと震えるような音に目が覚めて、リールを巻いてみると強い引きではないが、重量感のある突っ込みが途中で2回ほどあり、浮かんできたのは全長32cm(後検寸)のワカシだった。なんと2本の針を飲み込んでいたからたぶん掛かったイワシを喰ったわけではなさそう。ワカシはピンクスキンがお好みだったということだろう。ハリス2号でも2本の針を飲み込んでくれれば案外簡単に釣れてくるもの。「果報は寝て待て」ってことなのかどうか。

 

もうひとつ驚いたのはウルメイワシの高活性具合、貪欲な食欲だ。とうとうコマセが底をついてコマセなしの状態で仕掛けを降ろしてみたところ、おかまいなく多点掛けで釣れてくるではないか。タナは海底から2m前後。遊永層が合致すれば針掛かりしてくるという感じ。3点掛け前後だが、ピンクスキンが好みのようでサバ皮にはたまにポツリと掛かる程度。不思議だが、当日の潮の濁り具合やピンクスキンの色にも好反応を示したということである。サバ皮のハリスは4号だったこともあり、一概に比較できない。

午後2時10分に港に着岸。ボート店主に写真撮影に協力してもらい、ニコパチも無事終了。自宅に戻って、ウルメイワシは酢みそ和えと梅干し入りの生姜煮で舌鼓をうった。冷蔵庫のチルド室で3日連続で完食した。


ワカシは当日に刺し身に、マダイは一晩寝かせて翌日刺し身にした。どちらも絶品の味覚に酒量が増えてしまったことは言うまでもない。ボート釣りの魅力はやはり自分の狙った場所で目的の本命魚を釣り上げることで満足感を得られるもの。もちろん、大物ならもっと嬉しいのだが、ポイントの選定から釣り方の決断など自分の経験と腕が試される、原始的な釣りなのかもしれない。小田和湾の海と自然に感謝する気持ちを今回ほど強く感じたことはない。次回のボート釣りには新調したロランスの魚探をぜひ試してみたい。

 





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