京急大津港小川丸 ショートタチウオ釣り

 

今年の夏は尋常な暑さではない。流石の私も釣りを躊躇してしまうほどの猛暑が続いている。そんな8月4日の土曜日、海が凪ということで前日に予約を入れたのが京急大津港小川丸のショートタチウオである。今年最初の夏タチウオはSNSで釣り仲間となった国分寺市の伊東と同行することができた。というより、伊東さんは昨年10月にタチウオ釣り初体験で3本しか釣れなかったことで相当悔しい思いを募らせたようだ。それが証拠にタチウオ専用ロッドに小型電動リールを新調してきた。ダイワ製のブランド品だ。タチウオ釣りに対する並々ならぬ意気込みと情熱が伝わってくる。

 

当日は8月最初の週末ということもあり、前日の電話では「駐車場が混雑するので最遅でも午前6時までにはきて下さい」と言われて、私は5時15分には到着して受け付けをしたら女将さんから「お連れの方はもう受け受けをして船に乗り込んでると思います」と言われてビックリ。いくら横横道路の最終出口の馬堀海岸から近いとはいえ、国分寺からクルマで来るのになんと伊東さん曰く「3時に起きました」と言う。釣りは情熱、という昔の上州屋のTVCMを思い出すが、ここまで力が入って入ると、何か末恐ろしいモノを感じてしまう。目標本数は10本と伊東さんは言うものの、私はたぶんそれ以上は絶対に釣るはずと確信していた。

 

第十五小川丸は定刻より10分ほど早く舫が解かれて、港をゆっくり出航した。最初のポイントは大津港の真沖。水深45m前後でスタート。今年は水温が高い割に指示ダナが深い。浅いポイントでは30mを切る場所もあるはずだが、当日は走水沖に移動しても50m前後であった。たぶん8月下旬頃には30m以浅に群れが固まる可能性もあるだろう。

 

さて、釣り開始から20分足らずで伊東さんがタチウオを掛けた。取り込みもスムースで慣れた手つきである。とてもタチウオ2回目とは思えない。ただ若干電動リールの操作に戸惑う時もあったようだが、ジョグレバーに不慣れなだけ。彼が言うには「ユーチューブでタチウオの誘い方を徹底的に見まくり、熟知してきましたから」と自信たっぷり。海面へ向けた穂先を鋭く短くシャクリ、リールのハンドルも半回転以下という小刻みな誘い方が当日のタチウオには適合したのか次々と数を重ねる。活性の高い時間はおよそ8時頃から9時30分までであったが、少し食い渋り時間になってもロッドを握る手を休めない。給水する時間以外は常に誘いを入れている印象があった。比較的早いテンポでシャクリ、合間のポーズのタイミングは非常に短い。

 

一方、私はといえば、最初から「良型が3本釣れればそれで良い」という欲のない、緩〜い釣り方。誘い方はほぼ同じだが、シャクリ幅は40cm強で食いの間をタチウオに与えるため僅かにポーズを入れるだけ。安物の万能ロッドは6対4〜5対5の軟調子のためかタチウオが掛かると小型でも手元のパッド近くからグイングインと曲がり、見た目には楽しいが海面に上がってくるタチウオはどれも70cm前後の夏タチサイズばかり。

 

それでも活性の高い時間帯に運良く念願のメーターオーバーを1本釣ることができた。ご検寸で105cmあった。この1本で満足してしまったためかその後の釣りに気合いがあまり入らず、数が落ちた。右隣の伊東さんはバリバリと掛けては巻き、取り込み餌を付け替えて投入を繰り返す。

 

左隣の露木さん(平塚市)は途中穂先を破損するトラブルがあったにも関わらずガンガン釣りまくる。餌付けを見ると、私の縫い指しとは正反対のチョン掛けだ。話を聞くと「チョン掛けの方が勝負が早いですよ。アタリ即掛けアワセで釣れますから。ただ掛けられなければ餌がなくなっていることが多いのですぐに仕掛けの回収が欠かせません」と言う。実際、私もチョン掛けで釣ってみると、アタリがあってから直ぐにアワセても掛かりが良く、午前10時過ぎ頃から食い渋りになった時には有効に思えた。いつもサバの短冊は縫い指しが基本と思い込んでいたが、低活性の時間帯にはチョン掛けも試した方が良いということを露木さんから教わった。感謝です。

 

右舷大ドモに座っていた横地さん(横浜市)は高活性の時間帯に指5本かそれ以上の大物ばかりを数本立て続けに釣っていた。仕掛けを見てみると天秤の仕掛け側に小型水中ライトを装着していた。50m以浅の水深から考えると不要だろうと思ったが、もしかすると緩い点滅のライトに良型が反応しやすいのかもしれない。「まぁ、何が効果的なのかは分かりませんけどおまじないのようなモノでしょう」と苦笑い。それでも釣果は27本という数字を叩き出していた。前述の露木さんも全釣果が29本だから凄い数である。その数字を上回るのがタチウオ釣り2回目の伊東さんだ。33本で堂々の竿頭とはまたまた驚き。2回目にしてもうベテラン、タチウオマスーの称号をもらったようなものである。

 

一方、時々竿を置いて食事をしたりビールを飲んでいる温い釣り方の私は午後1時の沖上がりまでに15本を釣って大満足。1本だけ混じったメーターオーバーが満足感の大半を占める。強烈な突っ込みと海面直下での強引は夏タチウオの醍醐味だ。これからもっと浅くなれば15号の鋳込み天秤を使って海面直下まで追い掛けてくるタチウオ。当日は70cm級の夏タチ標準サイズも釣れたが、全体的に80cmオーバーが数多く釣れたので、食の面でも楽しめた。

 

刺し身はもちろん、簡単に調理できる塩焼きに加え、私のおすすめ料理はアルミホイルにバターを乗せるホイル包み焼きである。フライパン専用のアルミホイルの上にタマネギを敷いてからタチウオの切り身を乗せて、その上にシイタケカシメジを乗せる。そのシメジの隙間にバターの欠片を2個ぐらいのっけてからアルミホイルを包む。それをフライパンに乗せて焼けばいい。中火で7分程度。火を消してからもフタをしたまま5分以上蒸し焼きにするとほっこりとバターの香りが漂い、お酒が進むこと間違い無し。お好みで白ワインでもいいでしょう。言い忘れました。塩を振ってから一晩寝かせて、調理の直前に再度塩コショーを振れば少し濃いめの味付けになり、タチウオの味覚を再発見できるでしょう。

 




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