金沢八景荒川屋 午前LTアジ釣り

 

自然相手の釣りは実際に釣り場について仕掛けを落としてみなければ分からないことが多い。それはプロ野球の試合と似ているような気がする。特に次の打者がピッチャーなら申告敬遠をして満塁にして勝負をする時に「絶対に三振をとる」と自信を持って投げた球が打たれてヒットになり、2点も取られてしまう。最悪のケースがたまにあるのだ。何が起こるか分からない。それがプロ野球の世界である。それは沖釣りにも通じるものがある。

 

前振りが長くなってしまい恐縮だが、今回の釣りもまさにコレに近い感覚を持ったのは私だけではないだろう。6月3日日曜日に足を運んだのは金沢八景の荒川屋。狙いは午前ライトアジだ。現在、共同印刷の物流会社で役員をされている森さんが音頭を取ってSNSで知り合いとなった釣り好きを募8名が荒川屋の乗合船に乗り込んだ。当日の天候は東の微風でほぼベタ凪。しかも、晴天だからまさに絶好の釣り日和である。釣り客全員の人数はなんと30人というから驚きだ。

 

定刻の午前7時30分に宿の桟橋を離れてゆっくりと走り出して向かったのは小柴沖。クルージングはわずか20分足らず。水深は約20mちょっと。当日の潮回りは中潮の3日目。下げ潮が昼過ぎまで続く時間だけに速潮かなっと思ったら逆に緩い潮で助かったが、コレが災いしたようで、釣り開始から40分近くは船中何も釣れない状態が続いた。

 

参考までに同宿の貸しタックルはビシは30号。仕掛けは専用のハリス1号1mで針は2本。
これは船中が混雑していてもオマツリが少なくなるように考えられている。釣りが初めてでも釣れたアジをとにかく船内に取り込むにはハリス1mがベスト、という考え方は決して悪くはない。通常ならLTアジ釣りとはいえ、ハリス2号2mというのが一般的な仕掛けだ。

 

ところが、ハリス1号の1mでアジの食い気が良ければバリバリと釣れると思うのだが、当日はそう簡単にはいかなかったのだ。ビシを海底まで落として1mリールを巻き上げてコマセを軽く振り、再度1m巻いてからコマセを振ってアタリを待つスタイル。普通なら20秒以内にアタリが出るもの。クククッとアジ特有に小気味良い震えを手に感じながらリールをゆっくりと巻くと海面に尾びれが黄色いマアジが掛かっている、それが本来あるべきLTアジ釣りの姿ではないのか。

 

それが当日はどうしたことか、アタリが出ない。2回ビシを落とし直してもアタリは来ない。だから、仕掛けを回収してコマセのイワシミンチを詰め替えて何度も落としてはコマセを振って指示ダナの底上げ2m付近で待つのだが、アタリが出るのはそれこそ10分以上待ってからクンクン、クククと気弱な魚信が忘れた頃に竿先に出る程度。半日船だからロッドキーパーはない。つねに手持ちでアタリを待つのだが、これが辛い。いつ訪れるか分からないアジからのアタリを手持ち竿で待つ続けるのはビシアジ釣りのベテランでも苦痛を感じるもの。私の左隣に座った喜多村さんはアジ釣り歴20年以上だという。「ここまでアタリがないアジ釣りは経験したことがないです」とご立腹の様子。晴天で無風に近いので早々にクーラーBOXから缶ビールを出してしまう気持ちは良くわかる。

 

釣り開始から1時間してから船中でポツリポツリと全長20cm前後のアジが釣れ始めたが、単発で連続性がない。つまり、群れによる回遊がないということ。船中30人がコマセを撒いているにもかかわらずアジの群れが足止めをしないというのは基本的に「食い渋り」ということだ。2時間が過ぎても船長は場所を移動しない。それには理由がある。総勢30人が2本針の仕掛けを20m下に落としている。潮が少しでも早い場所や深いポイントに移動したらほぼ全員が仕掛けのトラブルでオマツリ騒ぎになるだろうと考えたからだと思う。

 

しかし、それは好天の日曜日のLTアジ釣りでは想定内だろう。そのために仲乗りさんを2人も乗せているのだ。船内を移動するのは大変だとは思うが、フル乗船でアジ釣りを楽しんでもらうのだからその程度は当然のことではないのか。型はどうあれアタリの出る場所に移動をしないのは他に理由が見つからない。

 

確かに潮が緩くアジの活性が低いのは分かるが、初心者に美味なアジを釣らせようと言う意欲が船長に感じられないのはとても残念でならない。船内でオマツリが多発するか否かは移動してみないとわからないではないか。もし、多発しても「これも釣りの宿命」と言えば良い。私も数年ぶりにハリス1号1mの仕掛けを使ってみたが、ハリスのヨレはあった。だが、釣れるアジの数が少ないので大して食いには影響はなかった。釣れないからである。

 

結局、午前10時50分頃に「これで終わりにします。片付けて下さい」という冷たいジ・エンドコールが流れた。アジが釣れなかったボウズの人も数人いたようだ。船中の釣果は0〜30匹。私の釣果も悲惨だった。アジが5匹に最後に釣れたイシモチが1匹。トホホの釣りであった。ミヨシの突き出しで竿を出していた仲乗りさんが言うには「こうした食い渋りの日にはアジの前アタリを感知できないと釣れないよ」という。まるで難易度の高いマルイカ釣りのようだ。

 

それでも、沖揚がり後のお楽しみは荒川屋のレストラン「サンドフィッシュ」でのランチだ。お刺身、唐揚げ、フライなど絶品料理に舌鼓を打てことが唯一の救いだった。午後2時前には次回のリベンジを誓って船宿を後にした。

 




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