小田原早川港平安丸 キンメダイ釣り

 

針数が10本近い胴突き仕掛けで鈴なりの多点掛けを楽しむ釣りと言えば、この時期ならキンメダイ釣りをおいて他にないだろう。2月中旬頃から好釣果が続いている小田原早川港の平安丸に予約の電話を入れたのは2月22日の木曜日。全船で予約乗合を実施している同宿は片舷6人までの人数制限がある。土日祝日は混雑が予想されたので23日の金曜日に決定。なんとか座席は確保できたのだが、驚いたのは出船時間だ。なんと「朝5時30分には出ますから5時には来て下さい」という女将さんの声にビックリ。2月下旬の午前5時30分はまだ真っ暗のはず。夜明け前だ。

 

案の定、当日5時10分前に到着すると、周囲は真っ暗だが、受け付けの平安丸前にはすでに数人の釣客が並んでいた。速攻で受け付けを済ませて港の駐車場に。第五平安丸に乗り込むとすでに支度が完了した釣客が数人で談笑している。12人のフル乗船であることはすぐに分かった。木曜の定休日前日の釣果がトップ60匹以上だったこともあるのだろうが、とにかくキンメファンの熱気が伝わってくる。

 

予約客が全員揃えば出船時間前でも船長は船の舫を解くことはよくあること。当日も約5分前に港を離れて、最初のポイント、真鶴沖へ向けて走り出した。風は北西風で冷たい。風は強くはないが少しウネリがある。40分ほどで真鶴沖に到着し最初の投入が告げられた。水深は165mと想定外に浅い。南房の夜キンメ釣りに狙う水深だ。早々に巻き上げたら私の8本針の一番下の針に小型のキンメが掛かっていた。下の針ほどアタリが分かりにくいものだが、ウネリと風で明確なアタリが掴めなかったようだ。

 

2投目からは280mと深くなり、いつものキンメ釣りのイメージに戻った。ただ困ったことにサバが途中で針に掛かってしまうため仕掛けが海底まで落ちない人が数人。釣れたサバを素早く捌いて餌にすれば効果抜群と聞いていたが、幸か不幸か私の竿にはサバが掛からず、船長はサバを避ける意味で大きく移動を決断。いよいよ本命場所の初島沖に辿り着いた。決戦はこれからだ。

 

周囲が明るくなった午前7時過ぎに3投目。水深は320m前後。因にキンメ釣りの場合、投入はミヨシ側から順に左右舷同時にオモリ(150号)が投げ入れるシステムである。私は右舷胴の間。ミヨシから数えると4番目。船長は潮流を考慮して少しずつ船を移動させつつ6番目までの投入を終わらせる。すると「タナは底から5〜10m上げて探ってみて」という指示が出る。当日の潮回りは小潮で午前9時頃に満潮になる。道糸の流され方をみていてもそれほど速くはない。

 

ところが、巻き上げの途中で両隣の仕掛けか道糸に絡むことが多かった。道糸だけのクロス程度なら良いのだが、魚が掛かってからの絡みは面倒。それでも船長が素早く対応してくれる。複数人が絡むと解くのに多少時間は掛かるが、船長の指示通りに対応すれば、魚のバレは少ないようだ。掛かったキンメがオマツリで外れてしまうことは私は運良く少なかった。基本的にはタモ網は魚体の下にあてがい、掬わないこと。針数が多い仕掛けだけに網に針が絡むと取り外すのに時間が掛かり、そのあとの魚体へのアスシトができなくなるからだ。

 

釣れた魚を優先させるため、時にはオマツリ解消のためにハリスを切ることもある。私の仕掛けも実は最初は8本針だったのだが、午前10時頃には6本になり、昼前には5本針で釣りづけた。もちろん、仕掛け全体をすべて交換すればまた8本針は復活するだが、すでに6匹ほどクーラーBOXにキンメが入っていたので「欲張らずに手返し重視」と心に言い聞かせて5本針で釣り続けた。それでも船長の指示通りに「反応は少し浮いているね。290mから下までビッシリだから少し上げてみてもいいよ」とのこと。

 

一番深い場所では水深340m前後まで狙ったが、初島沖は職漁船との取り決めがあり昼12時までしかできないという。天気はやっと青空が見え、波風も穏やかになったのだが「そろそろ真鶴沖に戻りましょう」という合図で早朝のポイントへ移動することに。右隣に座っていた門脇さん(目黒区)が言うには「この場所は以前クロムツの他にアカムツも釣れた場所です。しかもダブルで釣れましたから期待できますよ」と目を細める。アタリはキンメ特有の不連続に穂先を叩く、小気味良い引き。私の竿にも明確なキンメからの魚信が続く。巻き上げは自由だが多点掛けを狙う欲深さが功を奏することもある。ただし、あまり欲張ると最初に掛かったキンメが外れてしまうこともある。針穴が広がり抜けてしまう感じになる。

 

ドラマは最後の流しで訪れた。水深は320m前後だったが「300mから底まで反応があるから途中で一瞬止めてみて、強めのサミングでもいいから」というので途中で止めるとグングン、グググと竿先が不連続に大きくお辞儀を繰り返した。キンメ特有の4〜5回程度の上下動が続く引き込みが続く。1〜2mほど手巻きで巻き上げてまた止めると、同じような突っ込みが出る。「これは3点掛けかな」とひとりほくそ笑む。頃合いをみてスローで巻き上げてくると、今日一番の穂先の曲がり具合に「これはデカイのが掛かったか、それとも5点パーフェクトか」とワクワク気分が抑えきれない。船長に「ここはサメがでますか」と聞くと「ここはいないよ」と聞いて安心してスローで巻き上げを続けた。

 

海面下に見えたのはシルバーピンクの良型キンメの4点掛けであった。5点掛けではなかったが、後検寸32cmの当日最大サイズが釣れて有終の美を飾ることが出来た。最後に午後2時過ぎまでサービス残業をしてくれた船長に感謝! 一般的な乗合船の場合、午前5時30分に出航したら通常なら昼過ぎには沖揚がりのはず。遅くても午後1時過ぎには港に寄港するもの。それが小田原早川港の釣船は商売熱心なのか親切なのか、実釣時間がとても長い。釣れないと辛いが釣れる確率が高まるとも言える。今回はまさに後者だ。最後の流しで最も数と良型が釣れたのだから最後までチャンスを前向きな気持ちが大切であると痛感した。当日の船中トップは右舷ミヨシの人で40匹。私は13匹で大満足。オリンピックのメダル数と同じだ。

 

キンメは刺し身なら凍り付けのクーラーBOXに3日間ほど漬けて熟成を待つ。旨味成分が放出する2日目〜3日目が最高。煮付けでも2日間は寝かせたい。ただ鍋料理で食すなら当日でもイイかもしれない。春の濁り潮が本格的に入ればもっと数が釣れるようになるだろう。小田原沖、初島沖のキンメダイはまだまだ好釣果が続くだろう。150号のオモリを背負えるイカ竿かビシアジツ尾があればあとは電動リールに4号400m巻いてあれば問題はないはず。ぜひ挑戦してみて欲しい。

 




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