鴨居大室港五郎丸 午前タチウオ釣り

 

2018年1月25日、酷寒の中でも釣船に乗るのは何も気が狂ったからではない。どうしても体感したい魚がいるからだ。乗り込んだのは鴨居大室港の五郎丸。狙うのは難攻不落のタチウオである。22日の午後から降り続いた4年ぶりの豪雪は否応なく数日間の季節風をもたらした。前日の24日までは大半の船が出船中止になった。某気象予報士の話では、「ラニーニャ現象による偏西風の蛇行が主な原因」とか。降雪による影響は雪に不慣れな湘南エリアではとても大きく、交通渋滞と事故多発を誘発することは言うまでもない。48年ぶりの大寒波は釣果にどう影響するのか否か。

 

やっと風が凪ぎる予報となった、25日に五郎丸の午前タチウオ船に乗り込んだのは筆者を含めて総勢6人。運良く右舷トモから2番に釣り座を構えることができた。当日のタックルは1.8mの万能ロッドに超小型電動リールの組み合せ。PE2号を200m巻いてあるためオモリは100号を使う。水深が深い久里浜沖を狙うため80号ではダメらしい。定刻より少しだけ遅れて港を離れたタチウオ船は一路久里浜沖に向かうが、なんと10分少しでポイントに到着。5分ほど魚探でタチウオの群れを探索するがすぐに投入の合図が出た。船長の指示ダナは100〜120mというもの。予想よりは浅いが、気紛れなタチウオのこと、いつまた深くなるかを心配しつつ1本針にサバ短冊の餌を丁寧に付けて投入。案の定、モーニングサービスはない。アタリが皆無なのだ。

 

「ったく、またかい」というボヤキを飲み込んで120m下からの小幅のシャクリを開始した。リールの巻き量はハンドルで言う5分の1回転ほど。1回のシャクリで小幅なシャクリを丹念に繰り返す。悪天候後で活性が低いと予想されるだけに小刻みなシャクリでアタリを引き出す戦法は他の釣り人も皆同じである。30分ほどシャクリ続けているとコツンとリールの手を止める微かなアタリが出たが、その後が続かない。

 

ミヨシでは、なんとゲストに良型のスルメイカを釣り上げていた。サバの短冊が小魚に見えたに違いない。さきほどのアタリはもしかしてスルメイカだったのかも。そんな微細なアタリを感じつつ、やっとタチウオの食い気が出始めたのが午前8時30分を過ぎてからだ。竿先にコココ、グンと来たあとにそのままシャクリ続けているとガツンと引き込んだのでエイ、ヤと強く竿を煽って掛けて電動リールをフルスロットルで巻き上げる。小気味良い突っ込みで気持ちの良い曲がりを見せる穂先を見ながらも2回ほど強く煽って追いアワセをくれてやる。こうすることで針先が貫通する。海面でのバラしが激減するからだ。

 

海面に姿を見せてくれたのは本命タチウオだが、型がこぶりでガックリ。目測の全長は75cm足らず。指3本はない感じ。このサイズが2本続けて釣れたから活性は高くなってきた様子。ところが、食い気が高くなると今度はタチウオの歯による道糸の高切れが発生した。右隣の山内さん(川崎市)が釣り上げたタチウオが私の道糸に絡んで、スパッと80mほどのロス。オモリも天秤も仕掛けもすべて海の藻屑に消えた。

 

とはいえ、嘆いている暇はない。活性が高い時間帯に数を釣らないとアッという間に食い渋りに入るからだ。速攻で予備の仕掛けとオモリを装着して投入。すると、しばらくして強烈な引き込みが突然穂先に出た。ガツンときたからまんま即合わせで竿を煽って電動リールのスイッチをフルで巻く。すると、良型特有のゴゴゴンという突っ込みがリールの巻き上げを止める。スプールが一瞬ストップしてウィンウィンと唸りを上げる。これが快感なのだ。竿先はギュンギュンと曲がり込み、手に伝わる刺激的な感触が閃光のように脳裏を走る。これを体感したくて真冬の海に繰り出すのだ。吐く息が白いとか、手がかじかむと言う苦痛がすべてこの一瞬で消し飛んで行く。タチウオファンなら御理解頂けるかと思う。後計測で全長96cmを手にすることが出来た。自分が掛けてアワセて巻き上げる。難攻不落のタチウオに勝った瞬間とも言えよう。少し大袈裟だが、食いが渋い日には本当にそう感じるのだ。

 

そんな高活性の時間は短い。10時過ぎには食い渋り時間帯になり、痺れを切らした船長は「金谷沖まで少し走ります」とアナウンスが入り、速攻でポイントを移動すると、こんどの水深はなんと180mだという。とうとう高切れしたリールでは道糸が足らずに持参した予備のタックルで釣ることに。船長に「高切れして道糸が124mしかないので予備のタックルを使います。ただPE4号なのでオマツリするかも」と言うと「釣り座を2mほどミヨシ寄りに移動してやってみて。ダメなら貸し道具を使って」という指示でPE4号のリールで釣り再開。運良く潮流が緩いためかオモリ100号のままでもオマツリすることなく、沖揚がりまで釣りをすることができた。

 

午前11時40分に納竿。船中の釣果は3〜13本。時化後の食い渋り時間帯はあったものの最悪ではなかった様子。私もなんとか6本を釣り上げた。ただし、前述の96cmは1本だけ。あとは指3本ギリギリか2本前後というのもあり、細くて短いのが多くて悲しい気持ちになった。まぁ、それも釣りである。難しいから面白い、確かにそれは断言できる。持ち帰ったタチウオは初日に良型を刺し身と炙りで食べた。脂の乗りは最高潮であった。翌日は塩焼きに。細いのはすべて濃いめの煮付けで食べた。どれも旨味が凝縮されていて、酒の量が増えまくりに。調理が簡単でウロコがない、タチウオは捌くのも容易だからとても助かる魚でもある。釣って楽しく、食べて美味しいタチウオ、未体験の釣り人はぜひ一度トライしてみると良いだろう。まだ2月末頃までは釣れるはずだ。

 




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