三崎港いわき丸 アコウダイ釣り

 

5月と言えばマダイの乗っ込みが気になる季節だが、深場好きの釣りファンには深海500mのアコウダイの方が気にかかるのだ。そんな深海好きの釣り人を案内してくれるのが三崎港のいわき丸。4月29日の土曜日に三崎港北條湾の岩壁に集まったのは7人。アコウダイをこよなく愛する山田君の釣り仲間5人を中心に午前7時30分過ぎに城ヶ島沖に繰り出した。当日は南風が昼前から強く吹く予報だったが、朝は無風ベタ凪で快適な海上だった。約30分足らずのクルージングで最初のポイントに到着。

 

ほどなく水深530m前後で釣り開始。ミヨシから順番に投入の合図が告げられ、サバの短冊を付けた8本針が深海の海へ旅立つ。時計の針はすでに8時をとうに回っていた。この深海釣りが初挑戦の人も3人ほどいて、その中には私がフェイスブックで知り合いになった国分寺市の伊東さんも乗り込んでいた。いわき丸では、なんと電動リールを含めたロッド、オモリ、バッテリー、さらには仕掛けを並べるマグネットもすべて無料でレンタルできる。それを利用して楽しんだ伊東さんはビギナーズラックを独り占めすることになる。それも釣りの醍醐味のひとつであろう。

 

最初のポイントでは、アタリがあったものの海面に姿を表したのは招からざる獲物、サメであった。数人がサメを外して仕掛けを船縁に並べて2投目。それでも釣れてくるのはゲストばかり。針に付けたタコベイトを少し減らしても貪欲な深海ザメはサバの短冊に食い付いてくる。竿先に出るグングン、ゴンゴンという突っ込みで「何か掛かった、結構引き込んでる」と期待は膨らむのだが、裏切られること2回以上。ガックリだが、船長の指示通りに中錘を活用して仕掛けを少しずつ、這わせるように道糸を送り出す操作をすることで、魚に喰わせる工夫ができた伊東さんはサメの2点掛けを達成。

 

それでも船長からはこう言われた。「今回はたまたまサメに喰われたけど道糸を送り出して餌をうまく喰わせた結果だから決して悪くはない」と。こうしたアドバイスをしてくれる船長はたぶんそう多くはいないだろう。基本的な深場の釣り方、アタリが出てからの釣り方ができているから掛かった。それがたまたまサメだっただけ。船長はそう言いたかったのだ。

 

午前11時前には天気予報通りに南西風が少しずつ強くなり始めて海上も波だってきた。そんな5投目当たりだったか、ついに本命らしきアタリが伊東さんのレンタルロッドに訪れた。海面直下に白っぽい魚体、徐々に赤くなりついに浮かんだのが本命アコウだ。伊東さんが取り込んだ全長50cm近い良型のアコウダイは深紅の美しい姿で船内に取り込めた。初挑戦で初めてのアコウダイを釣り上げたのは船中ただひとり、伊東さんだけ。写真撮影に船長や山田君らもカメラやスマホでシャッターを切り、感動の瞬間を収めることができた。良かった、遠く国分寺市から片道2時間をかけてクルマを走らせて来た甲斐があった。自分が釣れた以上に嬉しかったのは間違いない。

 

周囲では、それまでのゲストにトウジン、シマガツオ、オキギス、深海アナゴは定番に近いものがあるが、当日のサプライズはなんとタカアシガニだ。これは仕掛けのハリスに足が絡んで上がってきたのだが、深海釣りでは私は初めてタカアシガニを見た。釣れたというより掛かってきただけだが、手に入れたのは私ではなく反対舷の釣り人だった。オマツリで上がってきたため判断しかねたが、針の色、仕掛けのハリスやサルカンを確認すれば分かる。新鮮な採れたてのタカアシガニをアコウダイ釣りでキャッチした釣り人はたぶんこの海域では他にいなのではないだろうか。もしかしたらアコウダイより浜値は高価だったりして。

 

その後、南西強風が強くなる予報を心配して、船長は午後1時10分過ぎに沖揚がりを決断。伊東さんのアコウダイ1匹でジ・エンドとなってしまった。これも深海釣りの厳しい現実だ。乗っ込みといってもマダイのようにコマセを撒けばバリバリ釣れる魚ではない。色々な釣りを経験してきた筆者が語るのもおこがましいのだか、「運、根、勘」が重なると釣れる、それがアコウダイだと思った方が気が楽である。ただし、船長のレクチャー通りに基本操作ができないとその確率は低くなる。

 

最後に味覚の話だが、伊東さんの話しによるとゲストに釣れたトウジンの肝醤油和えがとても美味だったとのこと。アコウダイを刺し身で食べる場合は、氷り漬けのクーラーBOXに少なくても2日、できれば3日ほど放置してから包丁を入れて刺し身にするとかなり旨味成分が放出されて、絶品の味わいを満喫出来たのではないだろうか。とはいえ、深海500mの美味魚を初めて手にできた伊東さん、もう戻れませんよ。「地獄の楽しみ?と究極の味覚を知ってしまったのですから」。これからも悪魔からの止めどない享楽のお誘いがあることを幸せに思い、アーメン。(笑)

 




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