金沢八景弁天屋 メバル〜カサゴリレー釣り
2月17日の金曜日に吹いた春一番がとんだ悪影響を海の中に与えるであろうことを薄々は感じていたが、千葉県市川市から電車で来る釣り部後輩の皆川君に藻エビで釣るエビメバルの楽しさを体験してもらいたくて翌日18日土曜日に金沢八景の弁天屋に乗り込んだ。エビメバルとカサゴのリレー釣りである。前夜には風も収まり、出船可能を宿に電話確認しての釣行となった。朝、7時30分の定刻に桟橋を離れて沖赤灯台の近くまでゆっくりと20分のクルージング。とはいえ、北風がやや吹いていたため船はそこそこ揺れたことは想像するまでもない。
最初のポイントは水深約30mで釣り開始。まずはエビメバルから。藻エビを針に軽くチョン掛けに近い感じで刺す。尾羽をハサミで切除して針先を第一節で抜く。この餌付けは結構重要である。藻エビがピンピン跳ねる状態を見てメバルがガガッと食い付いてくる。という想定だったのだが、当日は前日の南西強風で潮が澄み、たぶん水温も急降下したと考えられる。潮が澄むと目の良いメバルは警戒心を強めて日中は餌を捕食しない傾向があるという。女将さんも「南西強風で澄み潮に変わったので食いが悪くなったでしょ。こういう日はカワハギの方が良く釣れるの」という見解だ。
それも半端ない強烈な激渋状態が続いた。とにかく、アタリが皆無に等しい。釣り開始から2時間は船中ゼロだったと記憶している。底荒れではなく澄み潮と低水温のダブルパンチでメバルが口を使わないのだ。春一番が吹く前まではトップで30匹以上、スソでも13匹前後は釣れていたのだから難しい魚だ。最後に船長は第二海保まで足を延ばして最後の賭けに出た。
すると、到着するや否や、私の左隣に座っていた6歳の片山龍之介君が竿を曲げつつリールを巻いているではないか。彼の仕掛けはサビキ仕掛けだが本命メバルを釣り上げて嬉しそう。写真撮影に協力してもらって有り難うございました。お父さんはなんと全長40cmの大アジを釣り上げて安堵の表情。それまでまともなアタリがなかったためメバル釣り以前の醍醐味を味わえていなかったからだ。それは私も同じだ。水深30m前後で掛かる大アジは右隣の皆川君にもヒット。最初の1匹は海面でバラしてしまったが、2匹目は船長がタモ取りしてくれて、なんとかお土産確保といった感じ。正直私もなんとか大アジを釣りたかったのだが、蚊帳の外に。
だが、最後まで諦めない精神は最後に幸運を運んでくれた。新鮮な藻エビに交換して仕掛けを再投入して数分後、グググッと穂先に生体反応が出て少し聞き上げてやるとゴンゴン、ゴンゴンと強く引くではないか。これは大アジか、それともメバルか、と海面を割って姿を見せたのは良型のメバルだった。船長のタモ取りでボウズを逃れてホッとひと安心。船長からも「良かったね、本命釣れたね」と労いの言葉を掛けていただいた。その10分後には、カサゴ釣りへ転戦する合図が出された。時計の針は11時を少し回っていた。
カサゴの方はというと、メバルとは異なり活性はそこそこ高く、アタリが出る回数は多かった。多少、根が点在するポイントを潮流ししているため根がかりは必至。オモリの損失を気にしていてはカサゴは釣れない。付け餌はコノシロの短冊で5cm前後の薄皮を針にチョン掛けすればいい。仕掛けの注意点として、下の針はオモリよりも下に来る設定が重要だ。根の凹みに餌を送り込むスタイルが一般的で、カサゴの目前に餌を届ける必要があるからだ。遊泳力のない根魚だたけにマメに底立ちを取り直して、餌がフワフワと漂う感じが最適。オモリが底をトントンする感覚を持ちつつ、わずかに底を切って、再度落とすという釣り方がカサゴには理想だ。ただしオモリが根に貼り付いてロストすることも覚悟しておこう。できれば球形のオモリが根がかりを少しでも減らせると考えている。カワハギ釣りの時に使う丸いオモリである。号数は30号か25号。私は30号を使った。
釣れてくるのは平均して18cm前後だが、中には10cm前後とミニサイズも釣れてくる。このミニカサゴはリリースしても海面に浮いてしまい、海底に戻れるケースは少ない。船長も「魚が浮いてしまうと海鳥のエサになるだけだから持って帰って食べて下さい」とアナウンスしていた。リリースできる状態がどうかは足元の水バケツに入れてみて、腹を上にして浮かなければ海底復帰できるケースもある。私は2匹ほどリリースしたが、1匹は海底に戻って行った。
カサゴ釣りでのゲストはトラギスが多かった。正式にはクラカケトラギス。この魚、シロギス釣りのゲストにも登場してくるが、天ぷらネタとしては悪くない。だが、数匹のために天ぷらも面倒だろう。白身魚で良く調理する方法にアルミホイルに包んでバターと塩胡椒で味付けしてフライパンで焦げないように焼くと旨いのだ。ホイルの下にタマネギやシメジなどを敷くと焦げ付きが減るので一度お試し荒れ。
最後になるが、片山龍之介君の釣りのレベルはとても6歳には見えない。竿の持ち方、リールの巻き方、仕掛けの取り込み方など今年の4月から小学1年生になる男の子の釣りレベルではない。お父さんと一緒にほぼ毎週末釣りにくるというから凄い。話を聞くと「もう釣歴が2年を経過しているかな。将来は村越正海のようになりたい」とのこと。もし、オリンピックに釣競技があれば待ちなくメダル候補の選手になれるだろうと、思った。お父さんの教え方が素晴らしいということは言うまでもない。またどこかの船上でお会いできたら声を掛けて下さい。うみつりネットの防水シールをまた進呈させていただきますので。撮影協力有り難うございました。
- 2017.02.20 Monday
- つりレポート
- 22:28
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